ディスクゴルフのルールと遊び方|ゴールの寸法・OB・ディスクの種類を図解
- 地域:
- アメリカ
- タグ:
- 少人数, 投擲, 北米, 若者向け, 競技性高
この記事の要点
- 人数
- 1–4 人
- 試合の長さ
- 9ホールか18ホールを回り、合計の投数で勝ち負けを決める
- 道具
- ディスク1枚から(慣れたらパター・ミッドレンジ・ドライバー)とマイクロマーカー
- 広さ
- 常設コース(JPDGA公認コースなど)。18ホールの全長は初級向けで約760〜1,220m(PDGAの目安)
このゲームはどんなもの?
ディスクゴルフ(Disc Golf)は、フライングディスクを投げて、鎖のついたかご型のゴール(バスケット)に入れるまでの投数の少なさを競うスポーツです。 ゴルフのボールとクラブをディスクに置き換えたもので、ティーから投げ始め、2投目からはディスクが止まった場所から投げ、バスケットに入ればそのホールは終わりです。 1コースは9ホールか18ホールで、全ホールの合計投数がいちばん少ない人の勝ちです。
コースは公園や林の中に作られることが多く、木・池・起伏をよけながら、どのルートで攻めるかを考えるのが醍醐味です。 世界の統括団体 PDGA(Professional Disc Golf Association) は、プレーヤーは「コースをあるがままにプレーし、ディスクは止まったところからプレーする」と定めています。
ディスクゴルフの「父」とされるのは、米国の玩具会社 Wham-O でフリスビーの特許(1966年)を取ったエド・ヘドリック("Steady" Ed Headrick)です。 1975年、カリフォルニア州パサデナのオークグローブ公園に、地面に立てた柱を的にした最初の公式コースを作り、1976年には鎖とかごのついたゴール「ポールホール」を設置しました(特許は1977年)。PDGA も1976年に設立されています。 一方で、ニューヨーク州ロチェスターでは1970年から大会やリーグが開かれていたことも PDGA の歴史資料に残っていて、「誰が最初に始めたか」ははっきり言えないとされています。
いまは米国の Disc Golf Pro Tour(DGPT) がプロツアーとして年に25大会以上を開き、日本にも統括団体の 日本ディスクゴルフ協会(JPDGA) があります。
図:1ホールを上から見た図です。ティーから投げ、止まった所(赤)から次を投げてバスケットを目指します。赤い破線より先の池はOBです。
必要な道具と準備
始めるだけならディスク1枚で十分です。多くのコースはバスケットが常設されているので、道具を持って行ってそのまま回れます。JPDGA も、レンタルディスクを借りられる場所や無料で遊べるコースがあると紹介しています。
- ディスク — ディスクゴルフ用のディスクは、遊び用のフリスビーより小さく重く、ふちが鋭いものが多いのが特徴です。PDGA の公認ディスクは外径21〜30cm、重さは200g以下(外径1cmあたり8.3g以下)と決められています
- マイクロマーカー(ミニマーカー) — 投げたディスクの位置に印をつける小さな円盤。PDGA の規格では直径7〜15cm、高さ3cm以下です
- スコアカード — 紙のカードかスマートフォンのアプリで、ホールごとの投数を全員分つけます
- 服装と持ち物 — 林の中を歩くので、歩きやすい靴、飲み物、雨具があると安心です
ディスクの種類(パター・ミッドレンジ・ドライバー)
ディスクは大きく3種類に分けられ、距離と場面で使い分けます。JPDGA は、最初の1枚には力が少なくても安定して飛ぶパターを勧めています。
| 種類 | 形の特徴 | 主な使いどころ |
|---|---|---|
| パター | ふちが厚く丸い。まっすぐ飛ばしやすい | ゴール近くのパット、短いアプローチ |
| ミッドレンジ | パターとドライバーの中間 | 中距離。コントロールしやすい |
| ドライバー | ふちが薄く鋭く、幅が広い | ティーショットなど遠くへ飛ばしたいとき |
ディスクには「スピード・グライド・ターン・フェード」の4つの数字(フライトナンバー)が書かれていることが多く、飛び方の目安になります。これはメーカーが示す目安で、PDGA のルールで決められたものではありません。
図:ディスクの断面です。ドライバーほどふちが薄く広くなり、遠くへ飛びますが、曲がり方の癖も強くなります。
バスケット(ゴール)の寸法
ゴールは、柱の上に鎖の束(チェーン)を下げ、その下にかご(トレイ)をつけた形です。PDGA の技術基準(チャンピオンシップ級・スタンダード級)では、主な寸法が次のように決まっています。
| 項目 | 規定(チャンピオンシップ級・スタンダード級) |
|---|---|
| かごのふちの高さ(地面から) | 82cm ±6cm |
| かごの開口部の内径 | 66cm ±4cm |
| かごの深さ | 18cm 以上 |
| ターゲットゾーンの高さ(かごの上端からチェーン支えの下端まで) | 51cm ±3cm |
| チェーン支え(上の輪)の直径 | 57cm ±4cm |
| チェーン | 外側12本以上(チャンピオンシップ級は内側6本以上も) |
図:PDGA 規格のバスケット。ディスクがかごの中かチェーン(支えより下)に支えられて止まれば「ホールアウト」です。
コースとホールの長さ
ホールの長さはコースによってまちまちですが、PDGA のコース設計の指針は、腕前のレベル(色)ごとに次の目安を示しています。
| レベル(PDGAレーティング) | 18ホールの全長 | パー3のホールの長さ |
|---|---|---|
| ゴールド(970以上・トッププロ) | 約2,130〜3,350m | 75m 以上 |
| ブルー(925以上) | 約1,520〜2,590m | 60m 以上 |
| ホワイト(875以上) | 約1,370〜2,290m | 48m 以上 |
| レッド(825以上) | 約1,070〜1,680m | 42m 以上 |
| グリーン(825未満・初級) | 約760〜1,220m | 30m 以上 |
初めてなら、ティーが複数ある場合は短い(前の)ティーから回ると楽しめます。
推奨人数・年齢層
| 形式 | 人数 | 備考 |
|---|---|---|
| 個人(ストロークプレー) | 1人〜 | 1人でも回れる。JPDGA によると、ふつうは4人1組でラウンドする |
| マッチプレー | 1対1 | ホールごとに勝ち負けを数える(PDGA ルールの付録A) |
| ダブルス | 2人1組 | ベストスロー(2人とも投げて良いほうを選ぶ)など複数の形式がある(付録B) |
- 力より正確さの競技なので、子どもからシニアまで同じコースで遊べます。PDGA には年齢別の部門があり、ジュニアやマスターズ(年配)の大会も開かれています
- 車いすなどの人向けの「アダプティブ・ルール」も PDGA ルールの付録にあります
ルール
ディスクゴルフは「少ない投数でバスケットに入れる」だけの単純なルールです。細かい規則の多くは、投げる位置(ライ)と、コースの外(OB)の扱いに関するものです。ここでは PDGA の公式ルール(2026年1月1日改訂版)にもとづいて説明します。
あそびかたの流れ(最小ルール)
- 1番ホールのティーに集まり、投げる順番を決めます(JPDGA はじゃんけんなどで決めると案内しています)
- ティー(ティーパッドの上、またはティーラインの後ろ3m以内)から1投目を投げます
- 全員がティーから投げたら、バスケットからいちばん遠い人 から次を投げます
- 2投目からは、ディスクが止まった場所 から投げます
- ディスクがかごの中に入るか、チェーン(支えより下)に引っかかって止まれば、そのホールは終わりです
- ホールの投数をスコアカードに書き、次のホールへ進みます。2番ホール以降のティーは、前のホールのスコアが良かった人 から投げます
- 全ホールの投数を合計し、いちばん少ない人の勝ちです
最初は「止まった所から投げる」「遠い人から投げる」の2つだけ覚えればOKです。
標準ルール(技を加える)
- ライとマーカー — 投げる位置を「ライ」といいます。ディスクの止まった位置がそのままライになりますが、マイクロマーカーをディスクの前(バスケット側)にくっつけて置いてから、ディスクを拾ってもかまいません。ライは、マーカーの後ろの縁から後ろへ、幅20cm×奥行き30cmの長方形です
- スタンス — 投げてディスクを離す瞬間、体を支えている部分(足など)の少なくとも1つがライの中についていて、マーカーより前(バスケット側)に出ていてはいけません。投げる前後に踏み出すのはかまいません
- パッティングエリア — バスケットから10m以内で投げる「パット」では、離した後もマーカーの後ろでバランスを保ってから前に進みます。ジャンプしながら投げる「ジャンプパット」は10m以内ではできません
- OB(アウト・オブ・バウンズ) — 池・道路などコースが決めた区域です。ディスクがOB区域に完全に囲まれて止まったら1打罰で、前のライから投げ直すか、最後にコースの中にあった地点から1m以内にマーカーを置いて投げます
- マンダトリー(マンド) — 「この木の右を通す」のように通り道を決めたものです。決められた側を通らなかったら1打罰で、ドロップゾーン(指定の投げ直し地点)か前のライから投げます
- ロストディスク — 探し始めてから3分で見つからなければ紛失として1打罰、前のライから投げます。グループ全員で探すのがルールです
図:左がライ(緑の破線の長方形)の位置。右は池(OB)に入ったときの救済で、最後にコースの中にあった地点から1m以内に置き直し、1打罰で投げます。
公式競技ルール
大会は PDGA の公式ルールと競技マニュアルで行われ、日本では JPDGA がこのルールの日本語版を公開しています。おもなポイントは次のとおりです。
- 投げる時間 — ティー・ドロップゾーン・バスケットから20m以内では30秒、それ以外では45秒以内に投げます。1回目は警告、同じラウンドで2回目からは1打罰です
- ティーでの足の位置 — 離す瞬間、体を支える部分がすべてティーの中にないといけません(違反は1打罰)
- 2メートルルール — 木の上など、地面から2m以上の高さにディスクが止まったら1打罰とするルールです。今のルールでは、大会の責任者(TD)が「適用する」と決めたときだけ使われます
- ハザード — 大会が決めた区域で、入ると1打罰ですが、ライの位置は変わりません
- スコアカード — 各プレーヤーがグループ全員のスコアをつけ、ラウンド終了から30分以内に提出します。遅れると2打罰です
- 暫定スロー — OBか紛失かがすぐ分からないとき、グループが同意すれば、念のための投げ直し(暫定スロー)をしておけます
プロの最高峰は DGPT で、男子(MPO)と女子(FPO)のオープン部門だけで争われます。2016年6月の Vibram Open が始まりで、2021年9月に PDGA の公式プロツアーになりました。2025年のツアー選手権(バージニア州リンチバーグ)は賞金総額30万ドル超で、男女同額に分けられています。
得点計算の例
スコアは「投げた回数+罰打」です。ホールには「パー」(上手な人が普通に回ったときの投数)が決められていて、パーより1少なければバーディ、1多ければボギーと呼びます。
- 例1:パー3を3投 — ティーショット、アプローチ、パットで入れて 3(パー)
- 例2:池に入れた — ティーショットがOBの池へ。1打罰で、最後にコースの中にあった地点から1m以内に置いて3投目を投げ、4投目のパットで入れて 4(投げたのは3回+罰打1)
- 例3:マンダトリーを外した — 2投目が決められた木の反対側を通ったので1打罰。前のライから4投目を投げ、5投目で入れて 5
- 例4:エース — ティーショットが直接入ったら 1。ゴルフと同じく「ホールインワン(エース)」です
よくある反則・判定の迷いどころ
- ディスクが木の上に乗った — 2メートルルールを適用していなければ罰はなく、ディスクの真下の地面をライにして投げます
- OBラインの上に止まった — OBラインはOB区域の一部です。ディスクがOB区域に「完全に囲まれて」いればOB、少しでもコース側にかかっていればコースの中です
- OBラインのすぐそば(1m以内)に止まった — コースの中であっても、OBラインから直角に1mまで、ライを動かしてかまいません
- ディスクが人や動物に当たった — 罰はなく、止まった所からプレーします
- 自分の持ち物に当たった — 自分や自分の荷物が投げたディスクに当たったら1打罰で、前のライから投げ直します
- チェーンの上に乗った・かごの外側に引っかかった — ホールアウトになるのは、かごの中かチェーン(支えより下)に支えられて止まったときだけです。かごの外側に引っかかっただけなら、その真下の地面をライにして次を投げます
楽しむコツ
初心者がつまずきやすい点
- ドライバーから始める — ドライバーは速く投げないとまっすぐ飛ばず、曲がって林へ消えがちです。最初はパター1枚で全ホールを回ると、ディスクの飛び方がつかめます
- 力で投げる — バックハンドは腕だけでなく体のひねりで投げます。ディスクを水平に保ったまま、まっすぐ引いてまっすぐ離すのが基本です
- パットを強く投げすぎる — 外れて遠くまで転がると次も難しくなります。近い距離は「入らなくてもすぐ横に止まる」強さで
盛り上げる工夫
- ダブルスのベストスロー — 2人とも投げて良いほうを選ぶので、初心者と経験者の組み合わせでも楽しめます
- CTP(クローゼスト・トゥ・ピン) — 決めたホールで、1投目がいちばんゴールに近い人が勝ち、というおまけ勝負です
- パット練習ゲーム — バスケット1台の周りで、5m・7m・9mと距離を変えて入った数を競います
年齢別のアレンジ
- 子ども: 軽いディスクと短いティーで。投げる前に「前に人がいないか」を一緒に確かめる習慣をつけます
- シニア: 歩く距離が長いので、9ホールや短いコースから。パット練習だけでも十分楽しめます
- 競技志向: JPDGA の公式大会に出ると、JPDGA ポイントのランキングに載ります。まずは各地の月例会(マンスリー)や体験会から
日本で遊ぶときの工夫
日本で遊べる場所(公認コース)
- JPDGA の「公認コース」の一覧には、国営昭和記念公園(東京都)、国営ひたち海浜公園(茨城県)、国営武蔵丘陵森林公園(埼玉県)など、全国の公園や施設のコースが載っています。行く前に、営業日・受付・レンタルの有無を各施設で確かめましょう
- コースの外の公園で投げるときは、その公園のルール(ボール遊びやディスクの可否)に従います。ディスクゴルフのディスクは硬く重いので、人が多い広場では投げないようにしましょう
日本の大会と協会
- 一般社団法人 日本ディスクゴルフ協会(JPDGA) は、前身の協会が1986年10月1日に設立され、2026年に一般社団法人になりました。PDGA と連携し、日本フライングディスク協会(JFDA)とも協定を結んでいます
- 大会には格付けがあり、最高峰のナショナルトーナメント(NT)、地域ブロックのエリアブロックトーナメント(ABT-A・ABT-B)、各地のローカルトーナメント(LT)に分かれています。JPDGA の大会一覧には、第38回日本選手権が載っています
- PDGA の資料によると、日本では2018年まで、全ての大会で150g以下のディスク(150クラス)を使う決まりでした
安全とマナー
- 前のグループが離れるまで投げない — 前の人がバスケット周りにいるうちは投げないのが基本です
- 見通しの悪いホールでは声をかける — 散歩の人がいる公園では、コースを横切る人に気をつけます
- 木や芝を傷つけない — PDGA のルールでも、コースを傷つけたり、難しさを減らすために枝を折ったりすることは禁止です
よくある質問
Q. ディスクゴルフとフリスビーゴルフは違うもの?
同じ遊びを指すことが多いです。「フリスビー」は米国 Wham-O 社の商標(商品名)なので、競技としては「ディスクゴルフ」と呼びます。ただし、競技用のディスクはふつうのフリスビーより小さく重く、ふちが鋭いので、飛び方は大きく違います。
Q. ゴールのバスケットの高さはどれくらい?
PDGA の規格では、かごのふちが地面から82cm(±6cm)です。かごの開口部の内径は66cm(±4cm)、その上のチェーンが下がっている部分(ターゲットゾーン)の高さは51cm(±3cm)です。
Q. OBに入ったらどうなる?
1打罰です。前のライから投げ直すか、最後にコースの中にあった地点から1m以内にマーカーを置いて次を投げます。大会によってはドロップゾーン(指定の投げ直し地点)が使える場合もあるので、始める前に確認します。
Q. 何人で遊ぶ? 1人でもできる?
1人でも回れます。JPDGA によると、ふつうは4人1組でラウンドします。2人1組で戦うダブルスもあります。
Q. 子どもは何歳から遊べる?
ルールに年齢の決まりはありません。ディスクを前に投げられれば一緒に回れます。小さな子には軽いディスクを用意し、投げる人の前に出ないことを約束して、大人が見守りましょう。
Q. 最初に買うディスクは何がいい?
パターが1枚あれば全ホールを回れます。JPDGA も、少ない力でも安定して飛ぶパターを最初の1枚に勧めています。慣れてきたらミッドレンジ、ドライバーを足していきます。
もっと知りたい人へ
- PDGA 公式ルール(Official Rules of Disc Golf、英語) — 2026年1月1日改訂版
- PDGA 技術基準(ディスクとバスケットの規格、英語)
- PDGA コース設計のレベル別指針(英語) — ホールとコースの長さの目安
- PDGA ディスクゴルフの歴史(英語)
- Disc Golf Pro Tour の歴史(英語)
- 日本ディスクゴルフ協会(JPDGA)「ディスクゴルフとは」 — 公式ルールの日本語版・公認コース・大会情報もこのサイトにあります
- 関連: スパイクボール、ラダーゴルフ、クロッケー、ホースシュー — 米国で人気の芝生の遊びや、ゴルフのように順番に攻める競技
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