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クロッケー(クロケット)とは?ルール・遊び方・コート寸法を図解

地域:
イギリス
タグ:
少人数, 中規模, 打球, 欧州, 英国, 家族向け, 競技性高

この記事の要点

人数
2–6 人
試合の長さ
ゴルフクロッケーの7点マッチなら先に4点で勝ち
道具
マレット、4色のボール、フープ6つ、ペグ1本
広さ
32.0m × 25.6m(WCF公式)。5:4の比率で縮めてよい
目次 (8)
  1. このゲームはどんなもの?
  2. 必要な道具と準備
  3. 推奨人数・年齢層
  4. ルール
  5. 楽しむコツ
  6. 日本で遊ぶときの工夫
  7. よくある質問
  8. もっと知りたい人へ
クロッケーのカラフルなボール4個、木槌(マレット)、ゲート(ウィケット)が芝生に並ぶイラスト
クロッケーの木槌(マレット)、カラーボール、U字型ウィケット

このゲームはどんなもの?

クロッケー(Croquet)は、木製の槌(マレット)でカラーボールを打ち、芝生に刺したU字型の金属製の門(フープ、米国ではウィケットとも呼びます)を決まった順番と向きでくぐらせていく芝生のゲームです。本格的なルールでは、すべてのフープを通したあと、コート中央の杭(ペグ)にボールを当ててゴールになります。

単純に見えて、相手のボールをわざと遠ざける「クロッケーショット」という打ち方が戦術の核心です。「芝生のチェス」と呼ばれるほど奥が深いのが魅力です。

いまの形のゲームは、1850年代にアイルランドから英国へ伝わったとされます。1856年にロンドンでルールが登録され、ヴィクトリア朝の英国で大流行しました。1900年のパリ五輪では競技種目になりました。

現在の国際競技は**世界クロッケー連盟(WCF: World Croquet Federation)**が統括しています。WCF は1989年にロンドンで発足し、日本も創設時の正会員の一つでした。入門しやすいゴルフクロッケーでは、エジプトの選手が強いことで知られます。日本のゲートボールも、このクロッケーをヒントに生まれた競技です。

ルイス・キャロルの『不思議の国のアリス』(1865年)で、ハートの女王がフラミンゴを槌に、ハリネズミを球にして開くクロッケー大会の場面で名前を知った人も多いでしょう。本物のクロッケーはずっと穏やかで、そのぶん駆け引きの深いゲームです。

木づち(マレット)で打たれたボールが芝生を転がり、U字型のフープ(ウィケット)をくぐり抜ける様子のアニメーション

クロッケーコートを上から見た図。濃い灰色の矢印が縦32.0mと横25.6m、橙の矢印が境界線から外側のフープまでの6.4m、緑の矢印が中央の橙のペグから内側のフープまでの6.4m。灰色の短い線が6つのフープ、破線がヤードライン

図:WCF 規定の標準コート。フープは四隅に4つ、ペグの両側に2つ。破線はコートに引かない仮想のヤードラインです。

クロッケーとゲートボールの違い

ゲートボールは1947年に日本でクロッケーをヒントに考案された競技なので、「打具で球を打ち、門を順番にくぐらせる」骨格がよく似ています。なお、名前の似たクリケットは、投げられた球をバットで打つ1チーム11人の別の競技で、クロッケーとは関係ありません。

アソシエーションクロッケーゴルフクロッケーゲートボール
人数シングルス2人、ダブルス4人シングルス2人、ダブルス4人1チーム5人の団体戦(計10人)
ボール4個(青・赤・黒・黄)4個(青・赤・黒・黄)10個(赤5・白5、番号入り)
通る順路6つのフープを往復2回、最後にペグ6つのフープを1つずつ争う3つのゲート、最後にゴールポール
コート32.0m × 25.6m32.0m × 25.6m内野 15m × 20m
門の内幅94〜102mm(ボール92mm)94〜102mm(ボール92mm)22cm(ボール7.5cm)
1回の番ロケーやフープ通過で追加の打撃1打だけゲート通過・スパーク成功で追加の打撃
他の球を動かすクロッケーショット(球をくっつけて置き、踏まない)当ててよいが追加打は無いスパーク(自分の球を足で踏んで打つ)
勝ち方先に26点7・13・19点のマッチで過半数30分終了時に得点の多いチーム

ゲートボールの数値は世界ゲートボール連合(WGU)の規則によります。詳しくはゲートボールの記事を見てください。

必要な道具と準備

クロッケーは道具さえそろえば、平らな芝生ですぐに始められます。最低限、マレット・ボール・フープ・ペグ、そして平らな芝生があれば遊べます。

  • マレット — ボールを打つ槌。ヘッドの両端の平らな面(打面)で打ちます。ゴルフのパターのように両手で構えます
  • ボール — 基本は 青・赤・黒・黄 の4色で、この順に打ちます。青+黒 対 赤+黄 の2組に分かれて戦います。第2色として緑・ピンク・茶・白のセットもあります
  • フープ(ウィケット) — 地面に刺すU字型の金属の門。公式の6つのフープは、ボールがやっと通るほどの幅しかありません
  • ペグ(中央の杭) — コート中央に立てる白い杭。上部に青・赤・黒・黄の帯が塗られることがあります
  • コート(芝生) — 平らな長方形の芝生。短く刈った芝ほどボールがよく転がります

まずは樹脂製のレジャーセットで打つ感覚をつかみ、はまってきたら木製マレットや競技用ボールに買い替えるのがおすすめです。場所は、自宅の庭や公園の芝生広場など、ボールを転がしても他の人に当たらない平らな場所を選びましょう。

コートと道具の寸法

下の表は、WCF の「アソシエーションクロッケー競技規則(第7版)」と「ゴルフクロッケー競技規則(第6版)」の規定です。規則はヤード・インチ基準で、メートル値は規則に併記された換算値です。2つの種目で、コートと用具の規格は共通です。

項目規定値許容範囲・備考
コートの大きさ35ヤード × 28ヤード(32.0m × 25.6m)縦・横それぞれ ±6インチ(152mm)。狭い場所では 5:4 の比率のまま縮小してよい
外側4つのフープの位置隣り合う2辺の境界線から各7ヤード(6.40m)各フープとペグの位置は最大12インチ(305mm)までずれてよい
内側2つのフープの位置ペグの南北に各7ヤード(6.40m)同上
ペグ地上18インチ(457mm)、直径1½インチ(38mm)高さ ±1インチ(25mm)、直径 ±¼インチ(6mm)
フープの高さ地上12インチ(305mm)、上端まで+½インチ/−1インチ(+13mm/−25mm)
フープの内幅3 11/16〜4インチ(94〜102mm)大会では主催者がさらに狭く指定できる。同じコートのフープは幅をそろえる
ボール直径 3⅝インチ(92mm)、重さ16オンス(454g)直径 ±1/32インチ(0.8mm)、重さ ±¼オンス(7g)
ヤードライン境界線から1ヤード(0.914m)内側の見えない線アソシエーションクロッケーで、場外球を置き直す位置

直径 92mm のボールに対し、フープの内幅は最大 102mm。すき間は左右合わせて1cmほどしかありません。

米国クロッケー協会(USCA)の家庭向け「9ウィケット」ルールでは、100フィート × 50フィートのコートに9つのウィケットと2本の杭をダブルダイヤモンド形に並べます。庭に合わせて縮めてもかまいません。

推奨人数・年齢層

形式人数ボールの受け持ち
シングルス2人1人が2球(青+黒 対 赤+黄)
ダブルス2ペア(4人)1人が1球
家庭用9ウィケット(USCA)最大6人6球セットなら1人1球

力より狙いと戦術が勝負なので、年齢差や体格差が出にくい競技です。何歳からという決まりはなく、マレットを両手で振れるようになれば一緒に遊べます。WCF には60歳以上や21歳以下の選手権もあります。

ルール

クロッケーは「マレットでボールを打ち、決められた順番でフープをくぐらせる」ゲームです。ルールには大きく2系統あり、初心者はまず、みんなが同じフープを目指す ゴルフクロッケー から始めるのが一番わかりやすくおすすめです。まずは下の最小ルールだけ覚えれば、その日のうちに遊べます。

あそびかたの流れ(最小ルール)

  1. コート上にフープを6つ並べ、中央にペグを立てます
  2. 打つ順番は 青→赤→黒→黄 です。青+黒チーム 対 赤+黄チームで、シングルスなら1人が2球を受け持ちます
  3. 自分の番には 1回だけ マレットでボールを打ちます(ゴルフクロッケーに追加打はありません)
  4. 最初は全員が同じ1番フープを目指します。最初の1打は、コーナーから1ヤード以内のスタートエリアから打ちます
  5. 最初にそのフープを正しい向きでくぐったボールの側が、そのフープの1点を獲得します
  6. 点が入ったら、全員そのままの位置から次のフープを目指します。これを繰り返します
  7. 手軽な 7ポイントゲーム なら、1〜6番フープを順に争い、3対3になったら1番フープをもう一度争います。先に4点を取った側の勝ちです

最初は「次のフープに近づけて、くぐらせる」ことだけ意識すればOKです。相手より先にくぐれば得点なので、自然と「相手を邪魔する」駆け引きも生まれます。慣れてきたら、次のアソシエーションクロッケーの技を少しずつ足していきましょう。

標準ルール(技を加える)

  • ロケー(相手球に当てる) — 本格的なアソシエーションクロッケーでは、自分のボールを他のボールに当てる「ロケー(roquet)」を決めると、続けて打つ権利が得られます
  • クロッケーショット — ロケーの直後、自分のボールを当てたボールに くっつけて置き、自分のボールを打ちます。相手のボールを遠くへ飛ばしたり、自分を有利な位置へ運んだりできます。これがゲーム名の由来で、戦術の核心です。このあと、さらに1打(継続打)が得られます
  • フープ通過の継続打 — 自分のボールが正しくフープをくぐると、追加でもう1打が得られます。ロケー → クロッケーショット → 継続打とつなげて、一度の番で何点も進む「ブレイク」を狙えます
  • 順番と向き — フープをくぐる順序と向きは厳密に決まっており、逆順・逆向きではカウントされません

公式競技ルール

WCF は アソシエーションクロッケー(AC) と ゴルフクロッケー(GC) の2種目の国際ルールを管轄しています。AC とGC の世界個人選手権はおおむね2年ごと、団体戦はおおむね4年ごとに開かれます。

AC では、それぞれのボールが12のフープ(6つのフープを往路と復路で1回ずつ)を通り、最後にペグに当てます。1球あたり12+1で13点、2球で 26点 を先に取った側の勝ちです。大会では時間制限がよく使われ、実力差をならすハンディキャップ制度(追加の番「バイスク」をもらえる)もあります。

GC は、7点・13点・19点のいずれかのマッチで、過半数を取った側の勝ちです。13ポイントゲームは1〜12番フープを争い、6対6なら3番フープで決めます。

6つのフープとペグを上から見た図。緑の実線が前半6フープの通り道、濃い灰色の破線が同じフープを逆向きに通る後半6フープと、最後に橙のペグへ当てる道筋。緑の三角はスタート位置

図:アソシエーションクロッケーで1球がたどるコース。前半(緑)で外側の4つと内側の2つを通り、後半(灰色の破線)で同じフープを逆向きに通ってペグに当てます。

得点計算の例

例1:ゴルフクロッケー7ポイントゲーム。 青+黒が1・2・4・6番、赤+黄が3・5番を取れば、4対2で青+黒の勝ちです。3対3なら7点目として1番フープをもう一度争います。

例2:相手のボールを押し込んでしまった。 ゴルフクロッケーでは、打った球に当たったボールがフープをくぐっても、そのボールが持つ側の得点になります。自分の緑の球で、フープの手前にあった相手の灰色の球を押し込めば、相手に1点が入ります。下の図の右のパネルがこの状況です。

例3:アソシエーションクロッケーの1回の番。 フープをくぐれば1点と追加の1打、その1打でロケーすればクロッケーショットとさらに1打。これをつなげて3つのフープを通せば、その番だけで3点です。

フープを上から見た3つのパネル。左は緑のボールが抜けきって緑の輪(得点)。中央はフープの中で止まり打った側にはみ出したボールに赤い×(まだ得点ではない)。右は緑のボールに押された灰色の相手ボールが抜けて緑の輪(相手の得点)

図:フープ通過の判定。ボールが打った側(左)にはみ出さなくなった時点でくぐり終えたことになります。WCF の規則では、境界ぎりぎりで判別できないときは「くぐり終えた」と判定します。

よくある反則・判定の迷いどころ

  • ヘッドを触る・2度打ち・押し出し — 振り下ろすときにマレットのヘッドを手で触る、ボールに2度当てる、打面をボールに付けたまま押し出す、は反則(フォールト)です。GC では、わざと打面以外の部分で打つことも反則です(WCF の AC 規則第29条、GC 規則第11条)
  • フープや杭に接したボールの打ち方 — フープの脚やペグに触れているボールは、そこから離れる向きにしか打てません。打った瞬間にマレットとボールが接したままフープに触れさせるのも反則です
  • 体や別のボールに触れる — 打つボール以外にマレットや体が触れると反則です。反則のあと、GC では相手がボールを元に戻すかそのままにするかを選べます
  • 場外球の置き方の違い — AC では、場外に出たボールや境界から1ヤード以内で止まったボールをヤードライン上に置き直します(番の途中の自球は番の終わりに)。GC では、出た地点で境界線に接するように置きます
  • クロッケーショットで場外 — AC のクロッケーショットでどちらかのボールがコート外に出ると、その番は終わりです
  • ゴルフクロッケーのオフサイド — 得点が入った時点で次のフープの中間線より明らかに先にあった相手ボールは、相手側の指示で、コート両側中央にある半径1ヤードのペナルティエリアから打ち直させられます

楽しむコツ

初心者がつまずきやすい点

  • 強く打ちすぎる — 芝生で転がるため、加減が大切です。最初は軽く、狙いを定めてから打ちましょう
  • クロッケーショットを使い忘れる — AC で相手ボールに当てたあとの追加打を使わないと大きな損です
  • フープの順番と向きを確認しない — 違う順番・向きでくぐっても得点になりません。クリップを付け替える習慣をつけましょう

盛り上げる工夫

  • クロッケーショットで相手を遠ざけると歓声が上がります。積極的に狙ってみましょう
  • ダブルスは「次はどの球でどこを狙うか」のペアの作戦会議も楽しみの一つです
  • 英国のガーデンパーティー風に、サンドイッチや紅茶を持参してゆったり楽しむのが本場流です

年齢別のアレンジ

  • 子ども: フープを4つに減らし、コートを小さく。クロッケーショットなしの GC 形式でシンプルに
  • シニア: 立ったままゆっくり振れ、力が要りません。コートを縮めれば歩く量も調整できます
  • 競技志向: 公式コート・公式ボールで、GC の13ポイントゲームや AC の時間制限試合に挑戦してみましょう

日本で遊ぶときの工夫

  • 用具 — 樹脂製や木製のセットが通販で手に入ります。9ウィケット型のセットで6フープのルールを遊ぶときは、6つだけ使います
  • 場所 — 短く刈られた芝生の公園が理想です。5:4 の比率のまま縮めると本来の配置に近い感覚で遊べます
  • 団体 — 日本クロッケー協会(The Croquet Association of Japan)が WCF の創設時からの会員として活動しています。本格的に始めたい人は協会の情報をたどってみましょう

よくある質問

Q. クロッケーのコートの広さは?

WCF の標準コートは35ヤード × 28ヤード(32.0m × 25.6m)です。場所が足りなければ、5:4 の比率を保ったまま縮めてよいと規則に書かれています。家庭用の9ウィケットルール(USCA)の公式サイズは 100フィート × 50フィートです。

Q. 何点取れば勝ちですか?

種目によって違います。ゴルフクロッケーは7点・13点・19点のマッチで、過半数(4点・7点・10点)を先に取った側の勝ちです。アソシエーションクロッケーは、2球それぞれが12フープとペグを終える 26点 を先に取った側の勝ちです。

Q. ゴルフクロッケーとアソシエーションクロッケーの違いは?

ゴルフクロッケーは1回の番に1打だけで、全員が同じフープを争います。アソシエーションクロッケーは、ロケーやフープ通過で追加の打つ権利がもらえ、1回の番で何点も進めます。

Q. クロッケーとクロケットは同じもの? 名前の意味は?

同じ競技です。英語の croquet をカタカナにするときの書き方の違いで、日本の協会は「クロッケー」と書いています。語源は「かぎ(フック)」を意味するノルマン・フランス語の croquet で、編み物のクロッシェ(crochet)と同じ系統の言葉です。

Q. 家の庭や公園の芝生でもできますか?

できます。平らで芝が短ければ、小さなコートで十分楽しめます。フープは地面に刺すので、刺してよい場所か事前に確かめてください。

Q. 道具を代用することはできますか?

遊びとしてなら、針金をU字に曲げたフープでも代用できます。ボールがぎりぎり通る幅にすると本来の難しさに近づきます。

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