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ジャーツ(ローンダーツ)のルールと遊び方|禁止の経緯と安全版

地域:
アメリカ
タグ:
北米, 投擲, 家族向け, 1対1, 少人数

この記事の要点

人数
2–4 人
道具
先端の丸い安全版ダート(1チーム2本×2色)と目標リング
広さ
リング間は約10.7m(35フィート)が目安。芝生か柔らかい土で
目次 (8)
  1. このゲームはどんなもの?
  2. 必要な道具と準備
  3. 推奨人数・年齢層
  4. ルール
  5. 楽しむコツ
  6. 日本で遊ぶときの工夫
  7. よくある質問
  8. もっと知りたい人へ
芝生に先端を下にして刺さった大きなローンダート2本と、そばに置かれた目標リングのイラスト
重り付きの先端で芝に刺さるローンダート(ジャーツ)と、地面に置いた目標リング

このゲームはどんなもの?

ローンダーツ(lawn darts)は、アメリカで広く遊ばれてきた庭遊び(バックヤードゲーム)です。 商品名の「ジャーツ(Jarts)」でも知られています。 長さ30cmほどの、重り付きの先端と羽根を持つ大きな矢(ダート)を 下から山なりに放り投げ、 地面に置いた輪(目標リング)の中に入れて得点を競います。

ホースシューズ(蹄鉄投げ)とよく似た遊び方で、 1対1または2対2で交互に投げ、狙いの正確さで勝敗が決まります。 腕力よりコントロールが問われるので、大人も子供も同じ土俵で楽しめるのが魅力です。

ただし、この遊びには 重要な安全の歴史 があります。 かつて売られていた 先端の細長く尖ったローンダートは、子供の頭に刺さるなど深刻なけがや死亡事故を起こし、 アメリカでは1988年に販売が禁止されました。カナダも1989年に禁止しています。 現在は、先端を丸くした 安全版(ラウンドチップ) を使うのが大前提です。 この記事は、その安全な現代版を前提に紹介します。

芝生の上で、プレイヤーが大きな矢(ローンダート)を下から山なりに投げ、下降しながら先端を下に向けて地面の目標リングに入る様子のアニメーション

上から見たローンダーツの配置図。左右に橙の輪(目標リング)が2つあり、橙の矢印がリング間の約35フィート(約10.7m)を示す。左の輪の後ろに緑と濃い灰色の三角(投げる人と順番待ちの人)がいる。右の輪のまわりは赤い破線の四角で囲まれた立ち入り禁止の着地エリアで、その中に立つ灰色の三角に赤い×が付いている

図:2つのリングを離して置き、片側から反対側へ投げます。赤い破線の着地エリアには、投げている間は誰も入りません(リングの大きさは目安で、縮尺は正確ではありません)。

禁止までの経緯(年表)

旧型のジャーツは、いきなり禁止されたわけではありません。まず「子供に売らない」規制がかけられ、それでも事故が続いたため販売そのものが禁止されました。日付は米国消費者製品安全委員会(CPSC)の発表によります。

年できごと
1970年米国食品医薬品局(FDA)が、おもちゃ売り場での販売を禁じ、注意表示を義務づける(大人向けの技術のゲームとしてだけ売る扱い)
1978〜1986年救急外来で治療されたけがが推計約6,100件。被害者の81%が15歳未満、50%が10歳未満
1988年5月25日CPSC が販売禁止を提案することを決定。この時点で4歳・7歳・13歳の子供3人の死亡を把握
1988年10月28日CPSC が販売禁止を最終決定
1988年12月禁止が発効(連邦規則 16 CFR part 1306)
1989年カナダも製造・輸入・販売を禁止

CPSC は1988年の発表で、1970年の規制のあとも旧型がスポーツ用品店で売られ、事情を知らない親が子供のために買っていると指摘していました。

必要な道具と準備

ローンダーツは道具が少なく、準備も手軽です。ダート数本と目標リング、そして周囲に人がいない広めの平らな地面があれば始められます。ただし、遊ぶ前に 必ず安全の前提 を確認してください。

安全に関する最重要事項 — 先端が細長く尖った「昔ながらのローンダート(ジャーツ)」は、子供の頭部に刺さるなど深刻な事故を繰り返し起こし、アメリカでは1988年に販売が禁止 されました(カナダも1989年に禁止)。今から遊ぶなら、先端が丸い安全版だけ を使ってください。尖った先端の古いセットを物置などで見つけても遊びに使わず、処分しましょう。そして、どのバージョンであっても 人に向けて投げない・投擲エリアに人を立ち入らせない ことが絶対の鉄則です。

  • ダート(矢) — 重り付きの先端に、細いシャフトと後部の羽根(3枚が一般的)が付いた大きな矢。長さはおよそ30cm(12インチ)です。1チーム2本、2色(合計4本)で1セットが基本。必ず安全版(丸い先端)を選びます
  • 目標リング — 地面に置く輪。大きさに決まった規格はなく、製品によって違います。付属のリングがなければ、フラフープやロープの輪、チョークの円でも代用できます
  • リングを置く地面 — 芝生・土など柔らかい面が理想。コンクリートやアスファルトはダートが跳ね返って危険なので避けます
  • 投擲位置の目印(任意) — テープやロープで示すと公平に遊べます
  • 十分な広さ — ダートが山なりに飛ぶため、頭上と着地点の周囲にゆとりが必要です。子供やペットが投擲方向に入り込まない、見通しの良い場所を選びます

まずは1つのリングに向かって投げる感覚をつかみ、慣れたらリングを2つ用意してホースシューズ風に両端から投げ合うと本格的に遊べます。

コートと道具の寸法

ローンダーツには、寸法を定める競技団体や統一された公式規格はありません。下の表の値は、一般的な遊び方の目安として英語版 Wikipedia などに記されたものと、米国・カナダの規制の内容です。

項目目安・規定備考
リング間の距離約35フィート(約10.7m)一般的な目安。公式の規格ではない。子供や初心者は短くしてよい
目標リングの大きさ規格なし製品によって違う
ダートの長さ約12インチ(約30cm)重り付きの先端と、後部に羽根3枚が一般的
ダートの本数1チーム2本×2色1ラウンドで両チームが2本ずつ投げる
米国での規制先端が細長く、先端から地面に落ちるよう作られた屋外用ダートは販売禁止連邦規則 16 CFR part 1306。1988年12月に発効
カナダでの規制先端が細長いローンダートは製造・輸入・販売・広告が禁止1989年に禁止。中古品の販売も違法

2種類のローンダートを横から見た図。上は先端が細長く尖ったダートで、赤い×が付いている(米国で販売禁止の旧型)。下は先端が丸く太いダートで、緑の輪で囲まれている(現在使うべき安全版)。どちらも後ろに羽根がある

図:上の赤い×が、アメリカ・カナダで禁止された先端の細長いタイプ。下の緑の輪が、先端を丸くした安全版です。

推奨人数・年齢層

形式人数1人あたりのダート並び方
個人戦(シングルス)1対12本同じ側から交互に投げる
ペア戦(ダブルス)2対22本味方と交互に投げる。リング2つなら両端に分かれてもよい

対象年齢は、安全版であっても 投げる力と方向をコントロールできる年齢 が目安です。アメリカの事故では被害者の多くが15歳未満の子供でした。小さな子供が参加する場合は、必ず大人が付き添い、投擲エリアを管理してください。

ルール

ローンダーツは「大きな矢を下から山なりに投げ、地面のリングに入れて得点する」シンプルな的当てゲームです。得点の考え方はホースシューズ(蹄鉄投げ)によく似ています。まずは下の最小ルールを覚えれば、その日のうちに遊べます。

あそびかたの流れ(最小ルール)

  1. 平らで柔らかい地面に 目標リングを1つ 置きます。本格的に遊ぶなら、リングを2つ、約35フィート(約10.7m)離して置き、両端から投げ合います
  2. リングから離れた投擲位置に立ち、先攻を決めます
  3. 先攻のプレイヤーが、ダートを 下から山なりに 放り投げます。上から振り下ろす・水平に強く投げるのは危険なので厳禁です
  4. ダートは下降しながら先端が下を向き、先端から地面に着地 します。リングの中に入れば成功です
  5. 続けてもう1本を投げ、次に相手(チーム)が同じように2本を投げます
  6. 全員が投げ終わったら得点を数えます(次項)
  7. これを1ラウンドとして繰り返し、先に21点 に達したチームの勝ちです

最初は「山なりにふわっと投げて、リングを狙う」ことだけ意識すればOK。慣れてきたら得点計算の駆け引きが面白くなります。

標準ルール(技を加える)

よく紹介される得点の数え方(ホースシューズ式):

  • リングの中に入った(リンガー) — 1本につき 3点。相手もリンガーを入れた場合は、1本ずつ打ち消し合います
  • リングの外だが、相手のどのダートよりリングに近い — その1本に 1点
  • 次のラウンドの先攻 — 前のラウンドで多く得点した側が先に投げる、とする遊び方があります

リンガーだけを数える遊び方や、両者の点の差だけを入れる遊び方もあります。遊ぶ前にどれを使うか決めておきましょう。

技のポイント:

  • 投げ方 — 必ず下投げ(アンダーハンド)で、山なりの高い弧を描かせます。頂点から素直に落とすほど先端が真下を向き、リングに収まりやすくなります
  • 距離感 — 山なりの軌道は「投げる強さ」より「離す角度」で飛距離が決まります。同じフォームで角度だけ微調整すると再現性が上がります
  • 狙いの一貫性 — 立ち位置・足の向き・腕の振りを毎回そろえると、着地点が安定します

公式競技ルール

ローンダーツには、ルールや寸法を統一して定める競技団体は見当たりません。ルールは製品の説明書や地域によってまちまちで、上の「リンガー3点・最も近いダート1点・21点先取」のホースシューズ式が、広く紹介されている代表的な形です。21点については、ぴったり21点で勝ちとし、超えたらそのラウンドの得点を無効にする(または差し引く)遊び方や、2点差をつけるまで続ける遊び方もあります。

そして何より、先端の細長いダートは米国・カナダで販売が禁止されているため、どんなルールで遊ぶにしても 安全版を使うこと が現代の大前提です。

得点計算の例

ここでは、上の標準ルール(リンガー3点・相殺あり、最も近いダート1点)で数えます。

  • 例1 — A はリンガー1本と、リングから離れた1本。B はリンガーなしで、2本ともリングの外ですが、そのうち1本が A の外れた1本よりリングに近い。A に3点、B に1点 です。差だけを入れる遊び方なら A に2点
  • 例2 — A も B もリンガー1本ずつで、3点ずつ打ち消し合います。残りの外れたダートでは A のほうがリングに近いので、A に1点 だけ入ります
  • 例3(ぴったり21点で遊ぶ場合) — 19点の A がリンガー1本で3点を取ると22点になり、21点を超えます。この遊び方では、そのラウンドの得点は無効で、A は19点のまま次のラウンドへ進みます

ローンダーツの得点例を2つ並べた図。左の橙の輪の中に緑の丸(チームAのダート)が1つあり緑の輪で強調され、輪の外に緑の丸が1つと濃い灰色の丸(チームB)が2つ、そのうち輪にいちばん近い灰色の丸が橙の小さな輪で強調されている。右の橙の輪の中には緑と灰色の丸が1つずつあり、輪の外では緑の丸が橙の小さな輪で強調されている

図:左が例1(A のリンガー3点、B の最も近いダート1点)、右が例2(リンガーどうしが相殺し、最も近い A のダートに1点)。緑の輪は得点になるリンガー、橙の小さな輪は「最も近い1本」です。

よくある反則・判定の迷いどころ

統一ルールがないため、次の点は始める前に決めておくと揉めません。

  • リングの線上に刺さったダート — 中に入ったとみなすか、外とみなすか。先端が地面に触れた位置で決めるのが分かりやすい方法です
  • 刺さらずに寝たダート — 先端が止まった位置で判定するのか、転がった後の位置で判定するのかを決めておきます
  • 相手のダートを弾いたとき — 動いたダートは、全員が投げ終えた後の最終位置で数えるのが一般的です
  • 投げ方の反則 — 上投げ(オーバーハンド)や、水平に強く投げるのは危険なので禁止とし、その1本は無効にします
  • ラインを越えて投げる — 投擲位置の目印を決めたら、踏み越えて投げた1本は無効にします
  • 投げ終わる前に着地エリアへ入る — 得点や安全のため、全員が投げ終えるまでは誰もリングに近づきません。これは反則というより、絶対の安全ルールです

楽しむコツ

何よりもまず安全

  • 人に向けて絶対に投げない — 投擲方向とその周囲、頭上に人・ペットがいないことを毎回確認します
  • 安全版だけを使う — 先端の尖った旧型は使わない・遊ばせない・見つけたら処分する。「昔は普通に売られていた」からこそ、大人が意識して徹底すべき点です
  • 順番を守る — 誰かが投げている間は、他の人はリングやダートに近づかない。全員が投げ終えてから拾いに行きます
  • 拾うときも油断しない — 反対側のリングから投げ返すときは、相手が戻ったことを声で確認してから投げます

初心者がつまずきやすい点

  • 強く投げすぎる — 水平に強く投げると先端が下を向かず、リングに収まりません。ふわっと高く上げる方がうまくいきます
  • 距離を力で合わせようとする — 飛距離は角度で調整します
  • 地面選び — 硬い地面ではダートが跳ねて危険。芝生や柔らかい土を選びます

戦術のコツ

  • 1本目で位置を取る — 1本目がリングの手前に落ちたら、2本目は同じ弧で少しだけ角度を上げると修正しやすくなります
  • 相殺を意識する — 相手がリンガーを入れたら、自分もリンガーで打ち消すか、せめて最も近い1本を狙います

盛り上げる工夫

  • リング2つを離して置き、両端から投げ合うと、待ち時間が減ってテンポよく遊べます
  • 21点先取は意外と長いので、短時間なら11点先取など短縮ルールでもOK
  • BBQやキャンプの傍らで、順番待ちの間に会話を楽しむのが本場のゆるいスタイルです

日本で遊ぶときの工夫

  • 購入時は 先端が丸い安全版 であることを必ず確認しましょう。海外の古いセットを個人輸入したり、譲り受けたりするのは避けます
  • 公園や河川敷など広い芝生が向いています。山なりに飛ぶため、周囲に人が多い場所や狭い場所は避けます
  • 公園によってはダーツのような投擲物が禁止されていることもあるので、管理者の決まりを確認しましょう
  • 目標リングは、フラフープやロープの輪、チョークの円で代用できます
  • 子供と遊ぶときは必ず大人が投擲エリアを管理し、投げる人以外はラインの後方で待つルールを徹底します

よくある質問

Q. ローンダーツはなぜ禁止されたの?

先端の細長く尖ったダートが、子供の頭に刺さる事故を繰り返し起こしたためです。米国消費者製品安全委員会(CPSC)によると、1978〜1986年に推計6,100件のけがが救急外来で治療され、その81%が15歳未満でした。4歳・7歳・13歳の子供3人が亡くなっています。1987年に7歳の娘を亡くした父親の働きかけもあり、CPSC は1988年に販売禁止を決め、同年12月に発効しました。

Q. 今でも遊べるの? 何が禁止されている?

米国で禁止されたのは、先端が細長く、先端から地面に落ちるよう作られた屋外用のダートです。CPSC は、先端が尖っておらず地面に刺さる作りでない、頭に刺さるおそれのないダートは禁止の対象外としました。現在売られている先端の丸い安全版で遊ぶのが前提です。カナダでは先端の細長いダートの製造・輸入・販売が禁止され、中古品の販売も違法です。

Q. ジャーツとローンダーツは同じもの?

同じ遊びです。ローンダーツ(lawn darts)が一般名で、ジャーツ(Jarts)はその商品名として広まった呼び名です。英語ではヤードダーツ(yard darts)とも呼ばれます。

Q. リングの間はどれくらい離す?

公式の規格はありませんが、約35フィート(約10.7m)離すのが一般的な目安です。子供や初心者は距離を短くして、リングに届く距離から始めましょう。着地エリアの周りには、人が入らない余裕を十分にとってください。

Q. 何点で勝ち?

よく紹介されるルールでは21点先取です。ぴったり21点で勝ちとし、超えたらそのラウンドの得点を無効にする遊び方もあります。統一ルールはないので、始める前に決めておきましょう。

Q. 子どもは何歳から遊べる?

決まった年齢はありませんが、安全版であっても、投げる方向と力をコントロールでき、「人のいる方向に投げない」「投げ終わるまで近づかない」を守れることが条件です。アメリカの事故の被害者の多くは15歳未満でした。子供が遊ぶときは、必ず大人が付き添ってください。

もっと知りたい人へ

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