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ペタンクとは?ルールと遊び方|コートの広さ・点数の数え方を図解

地域:
フランス
タグ:
1対1, 少人数, 投擲, 欧州, 家族向け

この記事の要点

人数
1–6 人
試合の長さ
13点先取(公式)。1球の持ち時間は1分
道具
ブール(1人2〜3球)・コショネ1つ・メジャー
広さ
公式は15m × 4m以上(下限12m × 3m)。どんな地面でも可
目次 (8)
  1. このゲームはどんなもの?
  2. 必要な道具と準備
  3. 推奨人数・年齢層
  4. ルール
  5. 楽しむコツ
  6. 日本で遊ぶときの工夫
  7. よくある質問
  8. もっと知りたい人へ
ペタンクの金属球(ブール)3つと小さな目標球(コショネ)が芝生の上に置かれているイラスト
ペタンクの球(ブール、金属製)と目標球(コショネ、木製)

このゲームはどんなもの?

ペタンク(pétanque)は、20世紀初頭の南フランス・プロヴァンス地方で生まれた投球ゲームです。 直径7〜8cmほどの金属球(ブール)を投げて、最初に投げた小さな木球(コショネ)に 誰の球をより近づけられるかを競います。

両足を揃えて立ったまま投げるのが特徴で、その姿勢を意味する プロヴァンス語 pieds tanqués (足を揃えて)が名前の由来です。

もとになったのは、助走をつけて投げる「ジュ・プロヴァンサル(jeu provençal)」という遊びです。 1907年ごろ(1910年とする説もあります)、港町ラ・シオタで、リウマチのため助走ができなくなった元選手のために、 コートを短くし、円の中に立ったまま投げる形に改めたのが始まりとされています。 1958年にはマルセイユで国際ペタンク連盟(FIPJP)が設立されました。

芝生の上で、プレイヤーが金属球ブールを弧を描いて投げ、目標球コショネのそばに寄せる様子のアニメーション

長方形のコートの図。下の緑の矢印が長さ15m、右の濃い灰色の矢印が幅4m。左端の緑の破線の円が投球サークルで三角がプレイヤー。橙の矢印はサークルから10mまで、橙の帯はコショネを投げてよい6〜10mの範囲で、中の橙の丸がコショネ。左上の拡大円は両足をサークルに収める様子

図:緑の矢印が長さ(15m)、濃い灰色の矢印が幅(4m)、橙の帯がコショネを投げてよい範囲(サークルから6〜10m)です。サークルとコショネは少し大きく描いています。

ペタンクとボッチャ・ボッチェ・モルックの違い

ペタンクとよく比べられるのが、ボッチャ・ボッチェ・モルックです。ペタンク・ボッチェ・ボッチャは「目標球に近づけた球の数で点を取る」同じ仲間ですが、球と投げ方、コートが違います。モルックは目標球のない、ピンを倒すゲームです。

ペタンクボッチェボッチャモルック
発祥南フランス(1907年ごろ)イタリア(古代ローマの遊びが起源とされる)ボッチェから派生した、パラリンピックの正式種目フィンランド(1996年に考案)
球・投げるもの中空の金属球(直径70.5〜80mm、650〜800g)、1人2〜3球合成樹脂の球(直径約107mm、900〜920g)赤・青の球を6球ずつ木の棒(モルック)1本
目標木の小球コショネ(直径30mm)目標球パッリーノ(直径40mm)白いジャックボール1〜12の番号付きピン12本
投げ方円の中に両足をそろえて立ち、下手で投げる主に転がす上から・下から投げても、蹴ってもよい。ランプ(勾配具)で転がすこともできる下手で投げてピンを倒す
コートどんな地面でも可。公式は15m × 4m以上板で囲んだ平らなコート(26.5m × 4m)12.5m × 6m投擲距離3.5m、幅4m × 長さ10m以上
勝ち方13点先取12点先取(CBI)目標球に近い球の数で得点ちょうど50点

ボッチェ・ボッチャ・モルックの数値は、それぞれの記事(ボッチェ・モルック)と日本ボッチャ協会の説明によります。

必要な道具と準備

ペタンクは道具が少なく、準備もほとんど要りません。最低限、球(ブール)と目標球(コショネ)、そして数メートルの平らな地面があれば始められます。

  • ブール(boule) — トリプルス(3人組)は1人2球、ダブルスとシングルスは1人3球。競技用は中空の金属製で、直径70.5〜80mm、重さ650〜800g。手の大きさや投げ方によって最適なサイズ・重さが変わります
  • コショネ(cochonnet) — 木製(または認定を受けた合成素材)の小さな目標球。直径30mm(±1mm)で、「ビュット」「ジャック」とも呼ばれます
  • メジャー(巻尺) — どちらの球が近いか際どいときに測るため。公式ルールでは、測定用具は各チームが持っていなければなりません
  • 投球サークルを描くもの — 地面に円を描くチョークや棒、置くだけのプラスチック製サークルがあると便利
  • 地面 — 芝生・土・砂利・砂のいずれでもOK。長さ12〜15m、幅3〜4mほどの平らなスペースがあれば十分です

レジャー向けの樹脂球や安価な金属球のセットは手頃な価格で手に入り、芝生でカジュアルに遊ぶだけならこれで十分に楽しめます。大会に出るには FIPJP の認定を受けた金属球が必要で、こちらはぐっと高価になります。まずは手頃なセットで投げる感覚をつかみ、はまってきたら認定球に買い替えるのがおすすめです。場所は、公園の芝生や空き地、砂浜など、少し離れた相手に向けて球を投げても安全なスペースを選びましょう。

コートと道具の寸法

下の表は、国際ペタンク連盟(FIPJP)の公式競技規則(2020年12月承認、2021年施行)の規定です。ペタンクは本来「どんな地面でも遊べる」競技で、区画を決めて行う大会のときにだけ最小寸法が定められています。

項目規定値許容範囲・備考
コート(区画)の大きさ長さ15m × 幅4m 以上全国選手権・国際大会の最小寸法。そのほかの大会は各国連盟の判断で縮小可能だが、12m × 3m が下限
投球サークル描く場合は直径35〜50cm既製品は内径50cm(±2mm)。障害物から1m以上離す
コショネを投げる距離サークル内側の縁から6〜10mジュニア・シニアの場合。年少者の大会では短くしてよい
コショネと障害物の距離50cm以上コートの端のラインからも50cm以上
ブールの直径70.5〜80mm金属製・中空。鉛や砂などを詰めるのは禁止
ブールの重さ650〜800g11歳以下の大会では、認定品なら600g・直径65mmの球も使用可
コショネ直径30mm(±1mm)、10〜18g木製または認定合成素材。磁石につかないこと

推奨人数・年齢層

形式人数1人あたりの球1チームの球
個人戦(tête-à-tête)1対13球3球
2人組(doublette)2対23球6球
3人組(triplette)3対32球6球

FIPJP のルールが認める形式はこの3つだけです。年齢を問わず楽しめ、子供は軽い樹脂球で、大人は本格的な鉄球で遊べます。公式ルールには11歳以下向けの軽い球や、車椅子の人のための例外も定められています。

ルール

ペタンクは「コショネ(目標球)に、どれだけ自分の球を近づけられるか」を競うシンプルなゲームです。まずは下の最小ルールだけ覚えれば、その日のうちに遊べます。

あそびかたの流れ(最小ルール)

  1. じゃんけんなどで先攻チームを決め、地面に直径35〜50cmの投球サークルを描きます
  2. 先攻の人がサークルの中に両足を揃えて立ち、コショネを6〜10m先に投げます
  3. 続けて先攻チームの誰かが1球目のブールを、コショネのすぐそばを狙って投げます
  4. 次に後攻チームが投げます
  5. ここからは、コショネから遠いほうのチームが、相手より近づくまで投げ続けます(近いチームは待ちます)
  6. 全員が持ち球を投げ終わったら得点計算。コショネに一番近い球のチームが、「相手の一番近い球より内側にある自分の球の数」だけ得点します
  7. これを1エンド(メーヌ)として繰り返し、先に13点取ったチームの勝ちです

最初は「近づける」ことだけを意識すればOK。慣れてきたら、次の標準ルールの技を少しずつ足していきましょう。

標準ルール(技を加える)

  • 投げ方 — 手のひらを下に向けた下投げが基本。球に軽く逆回転をかけると、着地後に転がりすぎず止めやすくなります
  • ポワンテ(寄せ)とティール(撃ち) — そっと寄せる「ポワンテ」に対して、相手の球に直接ぶつけて弾き飛ばす「ティール」という攻めの技があります。ティールが決まると一気に形勢が変わります
  • 足の位置 — 投げた球が地面に着くまで、両足はサークル内の地面につけたまま。踏み出したり、足を浮かせたりすると反則です
  • 次のエンドの始め方 — 前のエンドで得点したチームが、前回コショネが止まった位置のまわりに新しいサークルを描き、コショネを投げます
  • 陣形 — ドゥブレット(2対2)やトリプレット(3対3)では、寄せ役と撃ち役で役割を分担すると戦略的になります

公式競技ルール

FIPJP の公式ルールでは、コショネを投げる距離(6〜10m)、投球サークルの大きさ、界外(アウト)になった球やコショネの扱い、メジャーでの正確な測定手順などが細かく定められています。持ち時間は1球につき1分です。コショネを投げる権利を持つチームのチャンスは1回だけで、有効な位置に届かなければ相手チームがコショネを有効な位置に置きます。試合は13点先取が基本で、リーグ戦や予選は11点で行うこともあります。日本では公益社団法人 日本ペタンク・ブール連盟(JPBF)が FIPJP に加盟して公式戦を主催しています。

得点計算の例

得点するのは、そのエンドでコショネに一番近い球を持つチームだけです。点数は「相手チームで一番近い球」よりも内側にある自分の球の数になります。1エンドで入る点数の最大は、シングルスで3点、ダブルスとトリプルスで6点です。

  • 例1(図の左):緑チームの球がコショネから12cmと20cm、灰色チームで一番近い球が30cm。緑の2球は灰色の最良球より内側なので、緑チームに2点。緑の3球目(42cm)は灰色の最良球より外側なので数えません
  • 例2(図の右):一番近いのは灰色の球(11cm)で、次が緑の球(22cm)、その次にまた灰色の球(32cm)。灰色の2球目は緑の最良球より外側なので、灰色チームに1点だけです
  • 例3(コショネが死んだとき):コショネが界外に飛び出した時点で、緑チームだけに2球残っていたら、緑チームに2点(残りの球の数)。両チームとも球が残っている、または両方とも投げ終わっている場合は、そのエンドは無効です

得点判定の例2つ。左は橙のコショネのまわりで、緑の球2つが濃い灰色の破線の円(灰色チームの最良球までの距離)より内側にあり緑の輪で囲まれている。右は灰色の球1つが緑の破線の円(緑チームの最良球までの距離)より内側にあり緑の輪で囲まれている

図:破線の円は「相手チームで一番近い球」までの距離です。その円より内側にある自分の球(緑の輪)が1点ずつになります。左は緑チームが2点、右は灰色チームが1点です。

よくある反則・判定の迷いどころ

以下は FIPJP 公式ルールでの扱いです。

  • サークルから足が出る・浮く — 両足はサークルの線にかからず完全に内側にあり、投げた球が地面に着くまで離れても浮いてもいけません(第6条)。罰則は警告(イエロー)、球の無効(オレンジ)、退場(レッド)の順に重くなります(第35条)
  • ライン上の球は生きている — 線をまたいでいる球は有効で、上から見て球全体が線を越えたら「死に球」です(第19条)
  • コショネが死ぬ条件 — 界外に出たとき、サークルから見えなくなったとき、サークルから20mより遠く・3mより近くに動いたときなどです(第9条)
  • 足で測る・勝手に拾う — 距離を足で測るのは禁止(第26条)。測定中にコショネや争っている球を動かしたチームは、その点を失います(第28条)
  • 味方が球に触れた — 投げた球が味方にぶつかって止まると、その球は死に球です(第20条)
  • 同じ距離のとき — 両チームの最も近い球が同じ距離なら、最後に投げたチームがもう一度投げ、以後交互に投げます。全員投げ終わっても同じなら、そのエンドは無効です(第29条)

反則の例4つ。左上は両足(濃い灰色の楕円)が投球サークルに収まり緑の輪で正しい、右上は片足がサークルの線にかかり赤い×で反則。左下はブールが界外の線をまたぎ緑の輪で有効、右下はブール全体が線の外に出て赤い×で死に球

図:上の段は投球サークルでの足の位置、下の段は界外の線とブールの関係です。緑の輪は正しい・有効、赤い×は反則・死に球を表します。

楽しむコツ

投げ方の種類(ポワンテとティール)

日本ペタンク・ブール連盟(JPBF)の案内では、投球はアンダースロー(下手投げ)で行い、バックスピンをかけるために手のひらを下にして球を離すのが基本です。投げ方は、目標に寄せる ポワンテ と、相手の球を弾き飛ばす ティール の2つに分かれます。

投げ方種類球の動き
ルーレットポワンテ(寄せ)低く投げ、転がして寄せる
ドゥミポルテポワンテ(寄せ)中間点に着地させ、そこから転がして寄せる
ポルテポワンテ(寄せ)高く上げて、目標の近くに着地させる
ティールティール(撃ち)相手の球に当てて弾き飛ばす

JPBF は、ティールは1球で複数の得点を取ることができるため、勝つためには欠かせない投球方法だとしています。得点を取る方法には、ほかに「コショネの手前にある味方の球を押して近づける」「コショネそのものを動かす」もあります。

初心者がつまずきやすい点

  • 力任せに投げない — 山なりにふわっと投げる方が、地面で転がりすぎず近寄せやすい
  • 地面の起伏を読む — 芝生は球が止まりやすく、砂利は転がりやすい。同じ強さでも結果が違う
  • コショネからの距離を毎回見比べる — 投げるたび「自分の方が近いか?」を確認。近ければ次は相手のターン

戦術の基本

  • 球を残す側が有利 — 終盤に自分のチームだけ球が残っていると、落ち着いて点を積み上げられます
  • コショネの距離も作戦 — コショネを投げるチームは6〜10mの範囲で得意な距離を選べます

盛り上げる工夫

  • 13点先取は意外と長い。8点先取などの短縮ルールでもOK
  • BBQやピクニックの傍らでのんびり遊ぶのが本場のスタイル

年齢別のアレンジ

  • 子供: 軽い樹脂球、距離4〜5m、近づけるだけの単純ルール
  • シニア: 椅子や車椅子から投げてもOK(公式ルールにも車椅子の例外規定があります)
  • 競技志向: 既製の50cmリングとメジャーを常備

日本で遊ぶときの工夫

  • 手頃なレジャーセットでも十分楽しめます。大会に出るようになったら FIPJP 認定球を検討しましょう
  • 公園によってはボール遊びに決まりがあります。管理者の案内を確認し、周りの人に球が当たらないよう広めに場所を取りましょう
  • 公益社団法人 日本ペタンク・ブール連盟(JPBF)が日本ペタンク選手権大会などを主催しており、都道府県ごとの連盟やクラブもあります。初心者向けの手引きも公開されています

よくある質問

Q. ペタンクのコートの広さはどれくらい必要?

公式大会で区画を決める場合、全国選手権や国際大会の最小寸法は長さ15m × 幅4mです。その他の大会では、各国連盟が認めれば12m × 3mまで小さくできます。遊びなら、コショネを6〜10m先に投げられる長さがあれば十分です。

Q. 「ペタンク」の名前の意味とつづりは?

南フランスのプロヴァンス語で「足をそろえて」を意味する pieds tanqués が由来です。円の中に両足をそろえて立ったまま投げる姿勢から名づけられました。つづりはフランス語で pétanque(英語では petanque と書くことも多い)です。

Q. 何点取ったら勝ち?

公式ルールでは13点先取です。リーグ戦や予選では11点で行うこともあります。遊びなら7点や8点先取でもかまいません。

Q. 芝生の上でもできる?

できます。FIPJP のルールでもペタンクは「どんな地面でも行える」とされています。芝生は球が止まりやすいので、少し強めに投げましょう。

Q. 子どもは何歳から遊べる?

公式ルールに年齢の下限はなく、11歳以下向けの大会では軽い600gの球も使えます。重い金属球は足に落とすと危ないので、小さな子どもは軽い樹脂球と短い距離から始め、大人がそばで見守りましょう。

Q. 専用の道具がないときの代用品は?

コショネは小さなボールで、サークルはひもを輪にしたり地面に線を描いたりすれば代用できます。ブールは同じ大きさ・重さのボールを人数分そろえれば十分です。

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