クッブのルールと遊び方|コートの寸法・道具・勝ち方を図解
- 地域:
- スウェーデン
- タグ:
- 少人数, 中規模, 投擲, 陣取り, 欧州, 北欧, 家族向け
この記事の要点
- 人数
- 2–12 人
- 試合の長さ
- 公式戦は3ゲーム制で予選75分・決勝90分の時間制限(世界選手権)
- 道具
- クッブセット(キング1・クッブ10・バトン6・マーカー4)
- 広さ
- 幅5m × 長さ8m(公式)。狭ければ長さ6m程度に縮めてもよい
このゲームはどんなもの?
クッブ(Kubb)は、スウェーデン・ゴットランド島で親しまれてきた投擲陣取りゲームです。 2チームに分かれて木の棒(バトン)を投げ合い、相手陣のブロック(クッブ)を倒し、 最後に中央のキング(王様)を倒したチームが勝つ、という分かりやすくも奥深いルールです。
「バイキングのチェス」という別名で売られることもありますが、ヴァイキング起源の根拠はありません。 記録に「クッブ」という名前が初めて現れるのは1931年、ゴットランド北の小島フォーレー島での民俗調査とされ、 島の遊びとして大流行したのは1980年代のことです。 1995年にはゴットランドのロネ(Rone)で「世界選手権(VM i Kubb)」が始まり、今も毎年夏に開かれています。 米国ウィスコンシン州 オークレア でも2007年から全米選手権が開かれています。
図:緑の矢印が長さ(8m)、濃い灰色の矢印が幅(5m)、橙の矢印がベースラインからキングまで(4m)です。キングとクッブは実際より大きく描いています。
クッブとモルックの違い
どちらも北欧生まれの木製の投擲ゲームで、並べて売られることも多いのですが、勝ち方がまったく違います。クッブはキングを倒して終わる陣取りゲーム、モルックはちょうど50点を目指す点取りゲームです。
| クッブ | モルック | |
|---|---|---|
| 生まれ | スウェーデン・ゴットランド島(名前の初出は1931年) | フィンランド・ラハティ(1996年) |
| 道具 | キング1・クッブ10・バトン6 | 番号付きのスキットル12本と投げ棒1本 |
| 投げる距離 | ベースライン間8m(アドバンテージラインからは近くなる) | モルッカーリ(投擲ライン)から3.5m |
| 人数 | 1対1〜6対6 | 2〜4人、またはチーム戦 |
| 勝ち方 | 相手のクッブをすべて倒し、最後にキングを倒す | ちょうど50点。超えると25点に戻る |
| 即負け・失格 | クッブが残っているのにキングを倒す | 3回続けて0点 |
モルックの数値はモルックの記事とその出典によります。
必要な道具と準備
クッブは専用の木製セットが1つあれば、あとは平らな芝生のスペースだけで始められます。
- キング(king) — フィールド中央に立てる、いちばん大きな木製ブロック。これを最後に倒したチームが勝ちます
- クッブ(kubb) — 各陣のベースラインに5本ずつ、計10本並べる角材のブロック。倒す対象であり、倒されると相手陣に投げ込まれて"フィールドクッブ"に変わります
- バトン(kastpinnar/カストピンナ) — 投擲用の丸い木の棒で6本。これを投げてクッブやキングを倒します
- コーナーマーカー — フィールドの四隅を示す杭
- フィールド — 5m × 8m の長方形が標準。芝生がベストですが、土や砂浜でも遊べます
コートと道具の寸法
下の表は、スウェーデンの世界選手権(VM i Kubb)の公式ルール、全米選手権(U.S. National Kubb Championship)のルール第4.0版、日本クッブ協会の規格を記した大崎市(宮城県)の「クッブ競技ルールブック 大崎市版」にもとづく値です。団体で違う値は並べて書きました。
| 項目 | 規定値 | 許容範囲・備考 |
|---|---|---|
| フィールド | 幅5m × 長さ8m | 3団体とも同じ。世界選手権の冊子は、遊び方の変形として長さを6mに縮める方法も紹介している |
| キング | 9.5 × 9.5cm、高さ30cm(世界選手権) | 全米選手権は8 × 8 × 25cm〜9 × 9 × 30cm、重さ0.8〜1.3kgを推奨。日本クッブ協会の規格は9 × 9 × 29cm |
| クッブ | 7 × 7cm、高さ15cm | 3団体とも同じ。全米選手権は重さ0.3〜0.5kgを推奨 |
| バトン | 直径44mm・長さ30cm、6本 | 日本クッブ協会の規格は直径45mm。全米選手権は重さ0.2〜0.3kgを推奨 |
| マーカー | 四隅に4本 | 全米選手権はセンターライン両端を加えて6本。日本クッブ協会の規格は2 × 2 × 30cm |
| 懲罰クッブの置き場所 | キングとマーカーからバトン1本分(30cm)以上離す | 世界選手権・全米選手権・大崎市版で共通 |
推奨人数・年齢層
| 形式 | 人数 | 備考 |
|---|---|---|
| 少人数 | 1人 vs 1人 | 世界選手権にも1対1の部がある |
| 遊び | 2〜6人 vs 2〜6人 | 人数に合わせてバトンを均等に分ける |
| 公式(世界選手権) | 6人 vs 6人 | 6人より少ないチームは、6本投げる回でも人数分しか投げられない |
| 公式(全米選手権) | 1チーム3人以上 | 1人が1ターンに投げられるバトンは2本まで |
年齢の決まりはなく、世界選手権の冊子も「老いも若きも、力の強い人も弱い人も楽しめる」と紹介しています。力よりコントロールの競技です。
ルール
クッブは「相手陣のクッブをすべて倒してから、最後に中央のキングを倒す」ことを競うゲームです。順番を間違えるといきなり負けることもあります。まずは下の最小ルールだけ覚えれば、その日のうちに遊べます。
あそびかたの流れ(最小ルール)
- 5m × 8m のフィールドを用意し、中央に キング を1本立てます
- 両陣の手前のライン(ベースライン)に、クッブを5本ずつ 等間隔で立てます
- 先攻を決め、先攻チームが バトン をチームで分け合い、1本ずつ順番に投げます
- 投げ方は 下からのアンダースロー で、棒の端を進行方向に向けて縦に回転させます。横回転(ヘリコプター投げ)は反則です
- まずは 相手のベースラインに立つクッブ を狙って倒します
- 相手チームの番になったら、倒されたクッブを相手があなたの陣地に投げ込み、落ちた場所に立て直します。これが "フィールドクッブ" です
- 次のターン以降は、フィールドクッブを先に倒してから でないと、相手のベースクッブを狙えません
- 相手のクッブ(フィールド・ベースの両方)をすべて倒しきったら、最後にキングを倒したチームの勝ち です
- クッブを倒し終える前にうっかりキングを倒してしまうと、その場で即敗北。順番は絶対に守りましょう
最初は「まず相手のクッブ、最後にキング」という順番だけ意識すればOK。慣れてきたら、次の標準ルールの技を少しずつ足していきましょう。
標準ルール(技を加える)
- フィールドクッブの投げ込み — 倒されたクッブは、ベースラインの後ろから下手投げで相手陣に投げ込みます。相手陣の外に出たクッブは、全部投げ終えてから1回だけ投げ直せます。2回目も外れたら 懲罰クッブ となり、相手チームが自陣の好きな場所(キングとマーカーからバトン1本分以上離れた場所)に立てます
- 立て方 — 投げ込まれたクッブは守る側が、地面についている2つの角を支点に起こします
- フィールドクッブ優先の原則 — フィールドクッブが1本でも立っている間にベースクッブを倒しても、そのベースクッブは元の位置に立て直され、ベースクッブのままです
- キングは最後に、ベースラインから — キングを狙えるのは、相手陣のクッブをすべて倒したあとだけ。しかも必ずベースラインの後ろから投げます
- アドバンテージライン — 相手が前のターンでフィールドクッブを倒しきれなかった場合、自陣に残ったフィールドクッブのうち、センターラインにいちばん近いものを通る線まで前に出て、バトンを投げられます
図:チームBが倒し残した灰色のフィールドクッブのうち、センターラインにいちばん近いものを通る緑の破線がアドバンテージラインです。チームAはそこまで前に出て投げられますが、キングを狙うときはベースラインまで戻ります。
公式競技ルール
世界選手権(VM i Kubb)はロネで毎年夏に開かれます(2027年は8月5〜7日の予定)。全米選手権のルールは、世界選手権のルールに細部を補ったものです。主なポイントは次のとおりです。
- 先攻の決め方 — 両チームの代表が同時にキングへバトンを1本ずつ投げ、キングを倒さずに近づけたほうが先攻か陣地を選びます
- 2-4-6の始まり方 — 先攻チームは最初のターンにバトンを2本だけ、後攻チームは4本、その次から両チームとも6本を投げます(全米選手権では必須。世界選手権では、6本から始めるか2-4-6にするかを両チームで決め、決まらなければ2-4-6)
- ヘリコプター投げの判定 — バトンが何かに当たるまでに、水平方向へ30度を超えて回ったらヘリコプター投げとして無効です(世界選手権)。全米選手権も、垂直面から30度を超えてぶれてはいけないとしています
- 踏み越え — 投げ始めるときは両足とも投擲ラインの後ろ、かつサイドラインの内側に置き、投げる動作の中で線を越えてはいけません
- 試合の形式 — 3ゲームのうち2つを先に取ったチームの勝ち。世界選手権の予選は75分、決勝トーナメントは90分の時間制限があり、時間切れのときはタイブレークに入ります
得点計算の例
クッブには点数の積み上げがなく、キングを正しく倒したチームが1ゲームを取ります。判定の例を見てみましょう。
図:左は相手のクッブをすべて倒してからキングを倒したので勝ち(緑の輪)。右はクッブが1本残る(橙の破線の輪)うちにキングを倒したので負け(赤い×)です。
- 例1:正しい順番で勝つ — チームAの番。チームBの陣地にフィールドクッブが2本、ベースクッブが3本残っています。1本目と2本目でフィールドクッブ2本、3〜5本目でベースクッブ3本を倒し、6本目をベースラインからキングに当てて倒せば チームAの勝ち です
- 例2:フィールドクッブが残っているのにベースクッブが倒れた — フィールドクッブが1本立っている状態で、バトンがベースクッブに当たって倒れても、そのベースクッブは元の位置に立て直されます
- 例3:クッブが1本残っているのにキングが倒れた — バトンでも、投げ込んだクッブでも、キングを倒したチームは その場でそのゲームの負け です
よくある反則・判定の迷いどころ
- ヘリコプター投げ — 横回転で投げたバトンは無効で、それで倒れたクッブは元の位置に戻します。そのバトンは使ったものとして数えます(世界選手権・全米選手権)
- 踏み越え — 投げたあとに前へ手をつくのも踏み越えです。踏み越えた投擲は無効ですが、その投擲でキングが倒れた場合は、踏み越えがあっても負けになります(世界選手権)
- 倒れて起き上がったクッブ — 当たって一度倒れ、勢いで立ち上がったクッブは倒れたものとします。ただし世界選手権では、4つの角がすべて地面から離れていることが条件です
- 自分のクッブに当てた — 自陣のクッブを誤って倒した場合、世界選手権では単に立て直します。全米選手権では、そのバトンは没収です
- ラインにかかったクッブ — 立てたときに、世界選手権ではクッブ全体が線の内側なら有効、全米選手権では半分以上が内側なら有効です
図:左は縦に回る正しい投げ方(緑の輪)、右は上から見て水平に回るヘリコプター投げ(赤い×)です。
楽しむコツ
初心者がつまずきやすい点
- 横投げ(ヘリコプター)してしまう — 縦回転が必須。棒をリレーのバトンのように縦に持ち、腕をまっすぐ振り上げます
- キング誤倒 — クッブを倒す前にキングへ当てると即敗北。キングの近くを狙うときは要注意
盛り上げる工夫
- 世界選手権のサイトも勧めているとおり、フィールドクッブは なるべく1か所に固めて 投げ込むと、次のターンに1本のバトンで何本もまとめて倒しやすくなります
- 最後のバトンは、チームでいちばん上手な人に任せるのが定石です
年齢別のアレンジ
- 子供: フィールドの長さを縮め(たとえば4〜6m)、軽いバトンで
- シニア: 椅子から投げてもOK。世界選手権のルールでは、車いすの人は車輪の中心を足の位置とみなします
- キャンプ: 焚火・BBQの隣に置いて、空き時間にゆるく対戦
日本で遊ぶときの工夫
- 公式セットや入門セットは、通販・アウトドアショップで手に入ります
- 公園では、フィールドと周りの余白が取れる広さを選び、隣の利用者に注意しましょう
- 一般社団法人日本クッブ協会 が競技規則と公認用具の規格を定め、「ジャパン・クッブ・オープン」などの大会を各地で開いています
- 宮城県 大崎市 は市内の7施設でクッブの道具を無料で貸し出し、「大崎市版」ルールブックも作っています
よくある質問
Q. コートの広さはどれくらい必要ですか?
世界選手権・全米選手権・日本クッブ協会とも、フィールドは幅5m・長さ8mです。世界選手権では、投げていないチームは自陣ベースラインから2m以上下がって待つので、前後に2mずつ足した奥行き12mほどの空きがあると安心です。狭い場所では長さを6m程度に縮めても遊べます。
Q. 何点で勝ちですか?
クッブには点数がなく、相手陣のクッブ(フィールドクッブとベースクッブ)をすべて倒したあと、ベースラインからキングを倒したチームが1ゲームを取ります。大会では3ゲームのうち2ゲームを先取したチームの勝ちです。
Q. 芝生以外でも遊べますか?
遊べます。クッブがしっかり立つ平らな地面なら、土のグラウンドや砂浜でも楽しめます。やわらかい砂は表面をならしてから立てましょう。
Q. 子供は何歳から遊べますか?
年齢の決まりはありません。バトンを下手投げで数メートル投げられれば一緒に遊べます。小さな子とはフィールドを短くし、投げている人の前に出ないことを約束しましょう。
Q. 道具がないとき、代わりのもので遊べますか?
練習なら、角材を切ってクッブとキングを作り、丸棒をバトンにすれば遊べます。寸法は上の表が目安です。木の角はやすりで丸めておくと安全です。
もっと知りたい人へ
- 世界選手権(VM i Kubb)の公式ルール(英語) — スウェーデン・ゴットランド島ロネ
- U.S. National Kubb Championship ルールと解説(英語) — 米ウィスコンシン州オークレア
- 日本クッブ協会 — 大会情報
- クッブ(Kubb)/大崎市 — 道具の貸し出しと大崎市版ルールブック
- 関連: ペタンク、モルック、ボッチェ — 同じく芝生で遊ぶ投擲ゲーム
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