ワッシャーズのルールと遊び方|箱と箱の距離・点数・箱の寸法を図解
- 地域:
- アメリカ
- タグ:
- 少人数, 投擲, 北米, 家族向け, パーティ
この記事の要点
- 人数
- 2–4 人
- 試合の長さ
- 21点で勝ちが一般的(11点・17点の早上がりを決める例もある)
- 道具
- ワッシャー(金属の座金)1人2枚ほどと、カップ(筒)付きの箱か穴を2つ
- 広さ
- 的どうし約6.1m(20フィート)〜7.62m(25フィート)の平らな場所と、的の後ろの余白
このゲームはどんなもの?
ワッシャーズ(Washers)は、ねじに使う金属の座金(ワッシャー)を、離れた箱や地面の穴に向かって下手で投げ、穴(カップ)に入れたり近くに止めたりして点を競う、アメリカの裏庭ゲームです。ワッシャー・ピッチング、ワッシャー・トス、ホースシューをもじった「ウォッシューズ(washoes)」などとも呼ばれます。
数え方はホースシューに近く、「貧乏人のホースシュー(poor-man's horseshoes)」とからかわれることもあります。2004年に米カンザス州の地元紙ローレンス・ジャーナル・ワールドが紹介した記事によると、セットは自作が多く、PVC(塩ビ)管を埋めた四角い箱、穴を開けた斜めの板、穴が2つ以上ある台など、形も点数も家や地域ごとにさまざまです。起源についても「開拓時代のカウボーイが荷馬車の車輪を外して、その軸穴に投げた」「遊び道具の少ない農村の人々が、手元の座金で始めた」などの説が語られるだけで、はっきりした記録はありません。
全国をまとめる競技団体はなく、同じ記事は「団体やリーグは珍しく、セントルイス周辺ではよく大会が開かれている」と伝えています。アラバマ州の「国際ワッシャー・プレーヤー協会(IAWP)」のように、独自に公式ルールを公開している団体もあります。
図:箱型のワッシャーズを上から見た図です。緑の矢印がカップの中心どうしの距離で、英語版 Wikipedia が紹介する箱型ではおよそ20フィート(約6.1m)、IAWP の公式ルールでは25フィート(約7.62m)です。2対2では、同じチームの2人が向かい合わせの端に分かれます。
必要な道具と準備
道具はホームセンターで手に入るものばかりで、自作して楽しむ人が多いゲームです。
- ワッシャー — 同じ大きさ・同じ重さの金属のワッシャーを、1人(1チーム)2枚ほど。IAWP は直径2.5インチ(約6.4cm)・穴1インチ(約2.5cm)、重さ約4オンス(約113g)の鋼のワッシャーをすすめ、チームごとに明るい色を塗って見分けるよう書いています
- カップ(筒) — 的になる筒。IAWP の規定は直径4インチ(約10cm)・深さ約5インチ(約13cm)で、32オンスの缶詰の空き缶より、厚手の白い塩ビ管のほうが当たってもへこまず長持ちするとしています
- 箱またはピット — 箱型はカップを真ん中に付けた木の箱。IAWP 型は地面にカップを埋め、まわりを角材で囲んで土を入れた「ピット」にします
- 距離を測るもの — メジャーか、箱どうしを結ぶひも。英語版 Wikipedia は、ひもが無ければ「10歩でおよそ20フィート」としています
箱と箱の距離・箱の寸法
統一ルールが無いため、よく紹介される2つの型を並べました。家で遊ぶときは、始める前にどちらで遊ぶか決めましょう。
| 項目 | 箱型(英語版 Wikipedia が紹介する例) | 地面のピット型(IAWP の公式ルール) |
|---|---|---|
| 的どうしの距離 | 箱どうしでおよそ20フィート(約6.1m) | カップの中心どうしで25フィート(約7.62m) |
| 箱・ピットの大きさ | 16 × 16インチ、高さ4インチ(約41 × 41cm、高さ約10cm) | 約5 × 3フィート(約1.5 × 0.9m)の枠に土を入れる |
| カップ | 直径4・1/2インチ(約11.4cm)、高さ5インチ(約12.7cm) | 直径4インチ(約10cm)、深さ約5インチ(約13cm) |
| カップの位置 | 箱の上面の真ん中 | ピットの手前の端から31インチ(約79cm)。奥寄りに置き、手前で滑らせる余地を作る |
| ワッシャー | 直径約2インチ(約5cm)、厚さ1/8インチ(約3mm)が多い | 直径2.5インチ(約6.4cm)、穴1インチ、約4オンス(約113g) |
| 点数 | カップ3点、箱の上1点 | カップ5点、いちばん近い1枚が1点 |
| 勝ち | 21点 | 21点(11対0・17対1で打ち切り。20点からは2点差) |
図:左が箱型(濃い灰色が幅16インチ、赤が高さ4インチ)、中央が IAWP のピット型(緑が長さ約5フィート、濃い灰色が幅約3フィート、橙が手前の端からカップまで31インチ)、右は穴が3つある板の型です。3つ穴の型は寸法も点数もセットごとに違います。
ホースシュー・コーンホールとの違い
| ワッシャーズ | ホースシュー | コーンホール | |
|---|---|---|---|
| 投げるもの | 金属のワッシャー | 鉄の蹄鉄(約1.19kg以下) | 布のビーンバッグ(約450g) |
| 的 | 箱や地面のカップ | 鉄の杭 | 穴の開いた斜めの板 |
| 距離 | 約20〜25フィート(型による) | 杭どうし40フィート(約12.19m) | 板の先端どうし27フィート(約8.23m) |
| 統一ルール | 無い | NHPA の公式ルール | ACL・ACO の公式ルール |
推奨人数・年齢層
| 形式 | 人数 | 立ち位置 |
|---|---|---|
| 1対1 | 2人 | 同じ端から交互に投げ、投げ終えたら反対の端から投げ返す |
| 2対2 | 4人 | 同じチームの2人が向かい合わせの端に分かれ、同じ端の相手と投げ合う(IAWP) |
| 3人以上の個人戦 | 3人〜 | IAWP のルールでは全員が順に投げ、1ラウンドに点を取れるのは1人だけ |
- IAWP は「力がほとんど要らないので、体の不自由な人や耳・目の不自由な人にも向く」と書いています。年齢を問わず一緒に遊べます
ルール
統一ルールが無いゲームなので、まず最小ルールで遊び、慣れたら IAWP の細かい決まりを足していきます。
あそびかたの流れ(最小ルール)
- 的(箱か穴)を2つ、20〜25フィート(約6〜7.6m)離して置きます。子供は近づけてかまいません
- どの型で、何点で勝ちにするか(ふつうは21点)を決めます
- 1人2枚ずつワッシャーを持ち、同じ端から下手で1枚ずつ向こうの的へ投げます。IAWP のルールでは、先の人が2枚を続けて投げてから次の人が投げます
- 全員が投げ終えたら点を数えます。カップに入ったワッシャーがいちばん高く、次に箱の上や、カップのいちばん近くに止まったものが点になります
- 相殺: 相手と同じ所に入れたぶんは消し合い、上回ったほうだけが点を得ます
- 点を取った人が次に先に投げ、反対の端から投げ返します
標準ルール(技を加える)
IAWP の公式ルール(地面のピット型)では、次のように決まっています。
- 先攻の決め方(ディドル) — 各自が1枚ずつ投げ、カップに入ったか、いちばん近い人から先に投げます。その後は、前のラウンドで点を取った人が先です
- 得点 — カップに入ったワッシャー(カッパー)は5点。カップに入っていなくても、いちばん近い1枚は1点。ピットの外に出たワッシャーは数えません。点を取れるのは1ラウンドに1人だけです
- キャップ — 先に入れた相手のカッパーの上から自分も入れると、そのカッパーは消え(キャップ)、残りのワッシャーの近さで点を決めます。相手が2枚入れて自分が1枚だけ入れたら、相手に5点です
- 当てて押し込む — 相手のワッシャーに当てて相手のほうがカップに近づいたら、それは相手の得になります
- 投げる位置 — 枠のあるピットでは、ピットの中ならどこに立ってもかまいません。枠が無いときは、カップより1歩以上前に出ません
- 勝ち方 — 11対0(スカンク)、17対1(ホワイトウォッシュ)になったら打ち切りです。それ以外は21点で勝ちですが、先に20点(アド)になった人は最後に投げ、2点差をつけて勝たなければなりません
公式競技ルール
ワッシャーズには全国で統一された公式ルールや競技団体はありません。上の IAWP は「公式ルール」を名乗る団体の一つで、カップどうし25フィートより短い距離・長い距離は「公式戦としては認めない」としていますが、ほかの大会が必ずそれに従うわけではありません。大会に出るときは、主催者がどの型・何点のルールで行うかを先に確かめましょう。
得点計算の例
- 例1(箱型・カップ3点・箱1点) — A はカップに1枚(3点)と箱の上に1枚(1点)で4点、B は箱の上に1枚(1点)ともう1枚は地面で0点。相殺して A に3点
- 例2(IAWP) — A のカッパーの上から B もカップに入れたので、A のカッパーは消えます。残りのワッシャーでは B の1枚がいちばん近いので、B に1点
- 例3(IAWP) — A がカップに2枚、B が1枚。B は A の1枚しか消せないので、A に5点
図:左が例1(A 4点 対 B 1点で、A に3点)。赤い×は点にならないワッシャーです。右が例2で、カップの2枚が消し合い、橙の輪の灰色のワッシャーが1点になります。
よくある反則・判定の迷いどころ
- ハンガー — カップのふちに引っかかって中に落ちていないワッシャー(IAWP の用語)。カップに入ったとは数えず、近さで判定します
- 同じ距離 — IAWP では、いちばん近い2枚が同じ距離なら点は無しで、同じ順番で投げ直します
- 投げ方 — IAWP の用語集では、投げるのはいつも下手投げです
- 箱の型の違い — カップの点(3点か5点か)、箱の上の点、3つ穴の点は、セットや家ごとにばらばらです。始める前に必ず決めておきます
楽しむコツ
初心者がつまずきやすい点
- 縦に回してしまう — IAWP は、中指に乗せて人差し指をふちにかけ、親指を上に置いて、地面と平行に回しながら放す握りをすすめています。縦に転がるワッシャーは止まりません
- 地面の状態を見ない — 乾いた地面ではよく滑るので手前に落として滑り込ませ、湿った地面では高い弧で直接カップを狙う、と IAWP は書いています
- ピットを整えない — カップのふちが土から出ていると、滑ってきたワッシャーが当たって止まります。ラウンドごとに土をならします
遊び方のバリエーション
- 短いゲーム — 11点や15点で区切ると、人数が多いときに回しやすくなります
- ダブル・ワッシャー — 2枚を同時に投げる遊び方(IAWP が紹介)
- 利き手と逆の手 — 右利きは左手、左利きは右手で投げる遊び方(IAWP が紹介)
- 3つ穴の板 — 穴ごとに点を変えて遊ぶ型。点の決め方はセットの説明書に合わせます
運営のコツ(人数・審判・場所・雨・安全)
- 人数が多いとき — 2対2を基本に、負けたチームが抜けて待っているチームと入れ替わると、全員が同じくらい投げられます
- 審判役 — 近さがきわどいときに測る人を1人決め、メジャーを持たせておくと言い合いになりません
- 場所 — 平らで、的の後ろが開けた芝生を選びます。ワッシャーは小さく芝に埋もれやすいので、IAWP のすすめどおり明るい色を塗っておくと失くしません
- 雨の後 — 土や芝が湿っているとワッシャーが滑らないので、カップを直接狙う投げ方に切り替えます
- 安全 — ワッシャーは金属です。投げる方向と的の後ろに人がいないことを確かめ、待つ人は投げる人の横か後ろに立ちます。小さな子供には、大人が投げる順番と位置を見守ります
日本で遊ぶときの工夫
- 大きめの平ワッシャーは、ホームセンターでねじ・金具の売り場にあります。同じ規格の物をそろえて、重さと大きさを合わせましょう
- カップには、内径10cm前後の塩ビ管を短く切って使えます。箱は板で作るか、カップを地面に埋めるだけでも遊べます
- 公園によっては、物を投げる遊びや地面に穴を掘ることに決まりがあります。管理者の案内を確かめ、キャンプ場や庭など許可のある場所で遊びましょう
よくある質問
Q. 箱と箱の距離はどれくらい?
決まった距離はありませんが、およそ20フィート(約6.1m)から25フィート(約7.62m)が目安です。英語版 Wikipedia は箱型でおよそ20フィート、IAWP の公式ルールはカップの中心どうし25フィートとしています。
Q. 何点で勝ち?
21点で勝ちにするのが一般的です。IAWP のルールでは、11対0や17対1になったらその時点で終わり、20点の「アド」からは2点差をつけて勝ちます。
Q. ワッシャーの大きさは?
IAWP は直径2.5インチ(約6.4cm)・穴1インチ、重さ約4オンス(約113g)の鋼のワッシャーをすすめています。家庭で遊ぶなら、同じ大きさ・同じ重さのものをそろえることがいちばん大事です。
Q. 何人で遊べる?
1対1か2対2が基本です。IAWP のルールでは3人以上の個人戦もでき、その場合も1ラウンドに点を取れるのは1人だけです。
もっと知りたい人へ
- International Association of Washer Players(IAWP)「Game Rules」 — ピット型の公式ルール(25フィート・カップ5点)
- IAWP「Equipment」 — ワッシャー・カップ・ピットの寸法
- IAWP「Terms」 — カッパー・キャップ・ハンガーなどの用語
- Lawrence Journal-World「Washers gaining popularity as 'poor-man's horseshoes'」(2004年8月13日) — いろいろな型と、起源の説
- Washer pitching(英語版 Wikipedia) — 箱型の寸法と点数の例
- 関連: ホースシュー、コーンホール、ラダーゴルフ、輪投げ — 同じく的に投げるゲーム
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