← 一覧に戻る

ローンボウルズのルールと遊び方|寸法・点数の数え方を図解

地域:
イギリス
タグ:
英国, 球技, シニア向け, 家族向け

この記事の要点

人数
2–8 人
試合の長さ
世界大会はシングルス21点先取、ペアズ・フォアズ18エンド
道具
ボウル(1人2〜4球)・ジャック1個・マット・メジャー
広さ
グリーンの長さ31〜40m(公式)。遊びなら平らな芝生で距離を縮めて
目次 (8)
  1. このゲームはどんなもの?
  2. 必要な道具と準備
  3. 推奨人数・年齢層
  4. ルール
  5. 楽しむコツ
  6. 日本で遊ぶときの工夫
  7. よくある質問
  8. もっと知りたい人へ
ローンボウルズの濃色の球(バイアス付き)と小さな目標球(ジャック)が芝生のグリーンに置かれているイラスト
ローンボウルズの球(片側に重心のバイアス)と、目標球ジャック(白〜黄)

このゲームはどんなもの?

ローンボウルズ(Lawn Bowls)は、イギリスで古くから親しまれてきた芝生の球技です。 13世紀のイングランドではすでに原型となる遊びが行われており、1299年から使われているとされるサウサンプトンの「オールド・ボウリング・グリーン」は、現存する世界最古のグリーンとして知られています。 いまではイギリスやオーストラリア・ニュージーランドなど英連邦の国々を中心に、幅広い世代が楽しんでいます。 コモンウェルスゲームズ(英連邦競技大会)では、1930年の第1回から1966年大会を除くすべての大会で行われてきました。2026年のグラスゴー大会でも、屋内の SEC センターで実施されています。オリンピック種目ではありません。

最大の特徴は、球(ボウル)が完全な真球ではなく、形によって片側へ曲がる性質(バイアス)を持っていること。 まっすぐ転がしても速度が落ちるにつれてゆるやかにカーブを描き、弧を描いて的に近づきます。 この「曲がり」を計算に入れて、小さな目標球(ジャック)にどれだけ自分の球を近づけられるかを競います。

金属球を「投げる」ペタンクとは違い、ローンボウルズは球を地面に沿って転がすのが基本。 バイアスによる曲線を読む面白さが、この競技ならではの奥深さです。

芝生の上で、プレイヤーがバイアスのかかった球を転がすと弧を描いて曲がり、小さな目標球ジャックのそばに止まる様子のアニメーション

3本のリンクに区切ったグリーンを上から見た図。両端の濃い緑が土手、明るい緑が溝。中央のリンクの左に四角のマットと三角のプレイヤー。上の濃い灰色の矢印が後ろの溝からマットまでの2m、橙の矢印がジャックの最短距離23m、その先の橙の丸がジャック。下の緑の矢印がグリーンの長さ31〜40m、右の濃い灰色の矢印がリンクの幅

図:長さ38mのグリーンをほぼ実寸比で描いています。溝とマットは見やすいように実際より太く描いています。橙の矢印(23m)より手前に止まったジャックは、投げ直しになります。

ローンボウルズとボッチェ・ペタンクの違い

3つとも「目標球にいちばん近づけた側が、相手の最良球より内側の球の数だけ得点する」点は同じです。ローンボウルズだけの特徴はバイアスで、球が曲がるので外側を狙って弧を描かせます。

ローンボウルズボッチェペタンク
球直径112〜131mm、1.59kg以下。片側へ曲がる形(バイアス)合成樹脂、直径106〜107mm、900〜920g。まっすぐ転がる中空の金属、直径70.5〜80mm、650〜800g
目標球ジャック(直径63〜64mm、屋外の天然芝)パッリーノ(直径40mm)コショネ(直径30mm)
送り出し方マットから必ず転がす主に転がす。ラッファ・ヴォーロで当てる小さなサークルに両足を収めて投げる。山なりも多い
場所長さ31〜40mの平らなグリーンをリンクに区切る板で囲んだコート 26.5m × 4m(CBI)地面を選ばない。選手権の区画は15m × 4m以上
試合の長さ世界大会はシングルス21点先取、ペアズ・フォアズ18エンド12点先取(CBI の大会は12点または8エンド)13点先取
国際統括団体World BowlsCBIFIPJP

名前の似たボッチャは、ボッチェから派生したパラリンピック競技で、ルールも道具も別ものです。氷の上で石を滑らせるカーリングも「的に近づける」点は似ていますが、ブラシで氷を掃いて石の進み方を変える、まったく別の競技です。詳しくはボッチェ・ペタンクの記事を見てください。

必要な道具と準備

ローンボウルズは、球(ボウル)と目標球(ジャック)、そして平らな芝生さえあれば楽しめます。準備そのものは難しくありません。

  • ボウル(bowl) — 片側がより丸く、反対側がやや平らな形をした球で、この形がバイアス(曲がり)を生みます。1人あたり2〜4球を使います。より丸い側(バイアス側)は小さな同心円の刻印で見分け、球は小さい刻印の側へ曲がっていきます。サイズは手の大きさに合わせて選びます
  • ジャック(jack) — 目標となる小さな球。白または黄色で、直径63〜67mm。「キティ(kitty)」とも呼ばれます
  • マット(mat) — 球を転がすときに立つ足場。大きさは長さ60cm・幅36cmで、送り出す瞬間に片足の全部か一部がマットの上にある必要があります
  • メジャー(巻尺) — どちらの球がジャックに近いか際どいときに測るため。競技では必需品です
  • グリーン(芝生) — 平らに刈り込まれた芝の面。周りを溝(ディッチ)と土手(バンク)で囲み、縦の区画「リンク(rink)」に区切って使います。カジュアルに遊ぶだけなら、よく整った公園の芝生でも十分です

本格的な競技用のボウルは World Bowls の基準に沿って精密にバイアスが施されていますが、芝生でカジュアルに遊ぶだけなら、レジャー向けのセットでも「曲がる球を寄せる」感覚は十分に味わえます。まずは軽めの球で転がす感覚をつかみ、はまってきたら競技用に買い替えるのがおすすめです。

コートと道具の寸法

下の表は、国際統括団体ワールドボウルズ(World Bowls)の競技規則『Laws of the Sport of Bowls – Crystal Mark 第4版』(2022年8月承認)の規定です。国内の大会では、各国の協会が一部の距離や基準を変えることが認められています。

項目規定値許容範囲・備考
グリーンの長さ31〜40m長方形または正方形。天然芝か、協会が承認した人工芝
リンクの幅屋外 4.3〜5.8m屋内は 4.6〜5.8m
溝(ディッチ)幅 20〜38cm、深さ 5〜20cmグリーンの周りを囲む
土手(バンク)グリーン面より23cm以上高い垂直、または垂直から35度以内の傾斜
マット長さ60cm × 幅36cmマットの前の縁(マットライン)を後ろの溝から2m以上、前の溝から25m以上離して置く
ジャックの最短距離マットラインから23m国内では各国協会が21mに変更できる
ジャック(屋外の天然芝)直径 63〜64mm、225〜285g白または黄色の球
ジャック(人工芝・屋内)直径 63〜67mm、382〜453g
ボウル直径 112〜131mm、1.59kg以下樹脂・ゴム製。木製は直径 112〜134mm

推奨人数・年齢層

形式人数1人あたりの球世界大会での試合の長さ
シングルス(singles)1対14球21点先取
ペアズ(pairs)2対22〜4球18エンド
トリプルス(triples)3対32〜3球18エンド(2球)/15エンド(3球)
フォアズ(fours)4対42球18エンド

試合の長さは World Bowls の規則(世界大会・国際大会)によるもので、国内大会や地域のクラブでは別の形式もよく使われます。チーム戦では、投げる順に「リード」「セカンド」「サード」「スキップ」と呼び、最後に投げるスキップがチームの司令塔です。体力よりも狙いの正確さがものを言うため、子供から年配の方まで無理なく楽しめます。

ルール

ローンボウルズは「ジャック(目標球)に、どれだけ自分の球を近づけられるか」を競うシンプルな球技です。まずは下の最小ルールだけ覚えれば、その日のうちに遊べます。

あそびかたの流れ(最小ルール)

  1. じゃんけんなどで先攻を決め、グリーンの手前にマットを置きます
  2. 先攻の人がマットの上に立ち、ジャック(目標球)をグリーンの奥へ転がします。転がった位置がその回の的になります
  3. 続けて同じ人が1球目のボウルを、ジャックに寄せるように転がします。球はバイアスで曲がるので、ジャックの真正面ではなく、少し外側を狙って弧を描かせます
  4. 次に相手が転がします
  5. ここからは、両チームが1球ずつ交互に転がしていきます(チーム戦では、両チームのリードが持ち球を交互に投げ終えてから、セカンド、サード、スキップの順に続けます)
  6. 全員が持ち球を転がし終わったら得点計算。ジャックに一番近い球のチームが、「相手の一番近い球より内側にある自分の球の数」だけ得点します。この1回のやりとりを1エンド(end)と呼びます
  7. 得点したチームがマットを置き直し、反対方向へ次のエンドを行います。決められたエンド数、または先に規定の点数に達したチームの勝ちです

最初は「バイアスの曲がりを読んで寄せる」ことだけを意識すればOK。慣れてきたら、次の標準ルールの技を少しずつ足していきましょう。

標準ルール(技を加える)

  • バイアスの向き — 球には曲がる方向があります。ジャックの左右どちらから回り込ませるかを決め、小さい刻印の側を曲げたい方向(内側)に向けて持ちます
  • ウェイト(力加減) — 転がす強さを「ウェイト」と呼びます。弱すぎると届かず、強すぎると通り過ぎます。バイアスは速度が落ちてから効くので、ウェイトの調整が命です
  • ドロー(寄せ)とドライブ(撃ち) — そっとジャックに寄せる「ドロー」に対し、強く転がして相手の球やジャックを弾き飛ばす「ドライブ」という攻めの技があります
  • フット・フォルト — 球を送り出す瞬間、片足の全部か一部がマットの上(または真上)になければいけません

ジャックへの2本の曲線を上から見た図。左端の四角がマット、三角がプレイヤー。緑の線は上側へふくらんでから右へ曲がり込み、濃い灰色の線は下側へふくらんでから左へ曲がり込んで、どちらも緑の輪で囲まれた橙のジャックに届く。破線はマットから外側へ向けた狙いの線。各線の上の球の小さな白い点は、曲がる内側にあるバイアス側を示す

図:破線の方向へ送り出すと、球は曲線を描いてジャックに寄ります。緑の線と濃い灰色の線は、反対の方向から回り込む2通りの通り道です。球の白い点がバイアス側で、いつもカーブの内側を向きます。

公式競技ルール

国際統括団体ワールドボウルズ(World Bowls)の公式ルール(Crystal Mark 版の競技規則)では、リンクの寸法、ジャックを転がす最短距離、界外(アウト)になった球やジャックの扱い、メジャーでの正確な測定手順などが細かく定められています。ジャックはマットラインから23m以上転がす必要があり、止まった位置が前の溝から2m未満なら、センターライン上の前の溝から2mの位置に置き直します。世界大会ではシングルスが21点先取、ペアズとフォアズが18エンドで争います。

得点計算の例

ローンボウルズでは得点を「ショット(shot)」と数えます。数え方はペタンクやボッチェと同じで、ジャックに一番近い球を持つチームだけが、相手の一番近い球より内側にある球の数だけショットを得ます。

  • 例1(図の左):緑チームの2球が、灰色チームで一番近い球より内側にあります。緑の3球目はそれより外側なので、緑チームに2ショット です
  • 例2(図の右):ドライブでジャックが前の溝に押し込まれました。溝の中のジャックは、リンクの境界内なら有効です。ジャックに触れてから溝に入った緑の球は「タッチャー」としてチョークで印をつけられ、有効な球として数えます。灰色の球は触れずに溝に落ちたので無効です。残った灰色の球より緑のタッチャーが近いので、緑チームに1ショット です
  • 例3(引き分けのエンド):両チームの一番近い球が、どちらもジャックに触れている、または同じ距離にある場合は、どちらにも得点が入りません。このエンドは「タイ(引き分け)」として記録され、完了したエンドに数えます

得点判定の例2つ。左は芝の上の橙のジャックのまわりで、緑の球2つが濃い灰色の破線の円(灰色チームで一番近い球までの距離)より内側にあり、緑の輪で囲まれている。右はリンクの端で、明るい緑の帯の溝の中に橙のジャックと、白い×印(チョークの印)のついた緑の球があり、緑の輪で有効を示す。その下の溝の灰色の球は赤い×で無効

図:左は緑チームに2ショット。右は溝の中のタッチャー(白い印の緑の球)が有効、ジャックに触れずに溝に落ちた灰色の球(赤い×)が無効です。

よくある反則・判定の迷いどころ

以下は World Bowls の競技規則での扱いです。

  • フット・フォルト — 送り出す瞬間に片足(車椅子なら片方の車輪)がマットの上にないと反則です。1回目は審判の警告、2回目からはその球を止めて無効にします(第7・8条)
  • いったん外に出ても戻れば有効 — 送り出した球がカーブの途中でリンクの横の境界の外を通っても、最後にリンク内に止まれば有効です。逆に、戻れないカーブのまま境界の外へ出た球は無効です(第17条)
  • タッチャーの印 — ジャックに触れた球は、次の球が止まるまでにチョークで印をつけなければタッチャーとして扱われません(第15条)
  • 近すぎる球は無効 — マットラインから14m未満に止まった球は無効です(第17条)
  • ジャックが無効になるとき — プレーで動いたジャックがリンクの境界の外へ完全に出たり、マットラインから20m未満に止まったりすると、そのエンドは「デッドエンド」となり、同じ方向でやり直します(第19・20条)
  • ジャックの投げ損じ — ジャックが溝に入った、リンクの外へ出た、23m未満に止まったなどの場合は、相手がマットを置き直してジャックを転がします。ただし1球目は元の先攻側が投げます(第10条)
  • 早すぎる測定 — エンドの最後の球が止まる前に測ると、測ったチームは残りの球を投げる権利を失います(第23条)

楽しむコツ

初心者がつまずきやすい点

  • バイアスを忘れて真っ直ぐ狙う — 球は必ず曲がる。ジャックの真正面ではなく、曲がる分だけ外側を狙う
  • 刻印の向きを逆に持つ — 小さい刻印を曲げたい側(内側)に向けるのが基本。逆に持つと、ジャックから離れる方向へ曲がってしまいます
  • 力任せに転がす — 速すぎるとバイアスが効く前に通り過ぎる。ゆっくり止まる強さが寄せやすい
  • グリーンの速さを読まない — 規則では、球がマットから約27m先で止まるまでの秒数を「グリーンの速さ(ペース)」と呼び、秒数が長いほど速いグリーンです。速いグリーンでは曲がり幅も大きくなりがちです

戦術の基本

  • ジャックの後ろにも1球置く — ジャックが後ろへ弾かれたときに備えて、ジャックの少し奥に球を置いておくと安心です
  • スキップの指示を見る — チーム戦では、ジャック側に立つスキップが「どこを狙うか」を身ぶりで示します。慣れないうちは指示に合わせて投げるだけで上達が早くなります

盛り上げる工夫

  • ドライブ(撃ち)で相手の球を弾き出すと一気に形勢が変わり、場が盛り上がる
  • 決着まで長くなりがちなので、短いエンド数を決めてサクッと遊ぶのもおすすめ

年齢別のアレンジ

  • 子供: 軽い球、距離を短く、ルールはジャックに近づける単純化
  • シニア: 立ったまま少ない移動で楽しめる。生涯スポーツとして最適
  • 競技志向: マットとジャックの距離を規定どおりに、メジャーを常備して正確に判定

日本で遊ぶときの工夫

  • 本格的な競技用ボウルは高価。最初はレジャー向けのセットで「曲がる球」の感覚をつかむのがおすすめ
  • 公式グリーンほど平らでなくても、公園のよく刈り込まれた芝生なら十分に楽しめる。少し離れた人に球が当たらないよう安全な場所を選ぶ
  • 国内の統括団体は、World Bowls に加盟する認定NPO法人ローンボウルズ日本(Bowls Japan)です。全日本選手権などの大会を開いています
  • 同団体の案内では、国営昭和記念公園(東京都)、神戸しあわせの村、兵庫県立明石公園、長崎県立総合運動公園などにローンボウルズ場があります

よくある質問

Q. ローンボウルズのグリーン(コート)の広さは?

World Bowls の規則では、グリーンの長さは31〜40mで、1本のリンクの幅は屋外で4.3〜5.8mです。周りを溝と土手で囲みます。遊びなら距離を縮めて、平らな芝生で気軽に楽しめます。

Q. 何点で勝ち?

世界大会ではシングルスが21点先取、ペアズとフォアズが18エンド、トリプルスは18エンドか15エンドで、エンド制の試合は合計点の多いチームが勝ちます。クラブの試合や遊びでは、エンド数や点数を自由に決めてかまいません。

Q. 芝生の上でなくてもできる?

できます。規則でも協会が承認した人工芝のグリーンが認められており、屋内のグリーンでの大会もあります。

Q. 子どもは何歳から遊べる?

公式な年齢の下限はありません。競技用のボウルは規則上の上限が1.59kgと重い球なので、小さな子どもは軽いレジャー用の球と短い距離から始めましょう。

Q. 専用の道具がないときの代用品は?

ジャックは小さなボールで代用できます。ただし普通のボールはまっすぐ転がるので、ローンボウルズならではの「曲がり」は味わえません。バイアスを体験するには、レジャー用でも専用のボウルを使うのがおすすめです。

もっと知りたい人へ

このページをシェア

似ているゲーム

雨の日は、ブラウザで遊べるパズルゲームもどうぞ。

パズルで遊ぶ →

English