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フラッグフットボールのルールと遊び方|5人制のコートの大きさ・点数を図解

地域:
アメリカ
タグ:
団体戦, 球技, 陣取り, 北米, 若者向け, 競技性高

この記事の要点

人数
6–14 人
試合の長さ
前半20分・後半20分の計40分(IFAF の公式ルール)
道具
ボール1個、フラッグ2本つきのベルトを1人1本、コーン(目印)
広さ
70ヤード × 25ヤード(約64m × 約23m、エンドゾーン込み)。外側に3ヤードの安全地帯
目次 (8)
  1. このゲームはどんなもの?
  2. 必要な道具と準備
  3. 推奨人数・年齢層
  4. ルール
  5. 楽しむコツ
  6. 日本で遊ぶときの工夫
  7. よくある質問
  8. もっと知りたい人へ
芝生の白いラインの上に、白い縫い目のある茶色の楕円形のボールと、黄色いフラッグが2本下がった黒いベルトが描かれたイラスト

このゲームはどんなもの?

フラッグフットボール(Flag Football)は、アメリカンフットボールからタックルなどの体のぶつかり合いを取り除いた球技です。 選手は腰のベルトに**2本のフラッグ(布の帯)**を付け、ボールを持った相手のフラッグを1本抜き取れば、タックルと同じようにそのプレーが終わります。 国際アメリカンフットボール連盟(IFAF)の公式ルールは 1チーム5人 で、ブロックもタックルもキックもありません。パスを中心に、作戦を立てて陣地を進めていくスピードのある競技です。

起源は、第二次世界大戦中の1940年ごろ、米国メリーランド州フォート・ミードの軍の基地で、兵士がけがをせずにフットボールを楽しむために始めた遊びとされています。 いまは米国の NFL が青少年向けリーグ NFL FLAG を運営し、4〜17歳の子どもが全米50州の2,000以上のリーグでプレーしています。

そして2023年10月16日、インド・ムンバイで開かれた第141次 IOC 総会で、2028年ロサンゼルス五輪の追加競技に選ばれました。男女ともに五輪の正式な種目として行われます。 日本では、小学校の学習指導要領解説(体育)でゴール型の例として名前が挙がっていて、体育の授業で経験した人も少なくありません。

緑の三角(攻撃側の司令塔)が投げたボールが弧を描いて前方の緑の三角(レシーバー)に届き、走り出したレシーバーの腰の帯を灰色の三角(守備側)が抜き取ると、緑の輪が広がってプレーが止まる様子のアニメーション

上から見たIFAFのフラッグフットボールのコート図。横長の緑の長方形の両端に濃い緑のエンドゾーンがあり、中央に縦の白い破線(ミドルライン)。両方のゴールラインの手前に、斜線を引いた細い帯(ノーランニングゾーン)がある。緑の矢印はゴールラインからゴールラインまでの長さ、橙の矢印はエンドゾーンの奥行き、濃い灰色の矢印はコートの幅、赤の矢印はノーランニングゾーンの幅を示す。エンドゾーンの角の橙の小さな四角は目印のパイロン

図:IFAF の5人制のコートです。緑の矢印がフィールド・オブ・プレー50ヤード(約45.75m)、橙の矢印がエンドゾーン10ヤード(約9.15m)、濃い灰色の矢印が幅25ヤード(約22.9m)、赤の矢印がノーランニングゾーン5ヤード(約4.6m)です。中央の破線がミドルライン(ファーストダウンの目標)です。

アメフト・タグラグビーとの違い

体育の授業でよく比べられる3つの競技を、表にまとめました(フラッグフットボールは IFAF の公式ルール)。

項目フラッグフットボールタグラグビーアメリカンフットボール
プレーの止まり方フラッグを1本抜かれたら、そのプレーは終わりタグを取られた選手はパスをしてつなぎ、プレーは続くタックルで倒されたら終わり
前へのパス1回のプレーに1回だけ投げられる投げられない(後ろへのパスのみ)1回のプレーに1回だけ投げられる
体の接触禁止(ブロックもタックルもない)タックルはないタックル・ブロックがある
防具不要(マウスピースは強く推奨)不要ヘルメットとパッドが必要
人数(公式)5人大会や学校によって違う11人

フラッグフットボールは、1回ずつプレーを止めて作戦を相談できる点がアメフトと同じで、タグラグビーとのいちばんの違いです。

必要な道具と準備

道具はボールとフラッグベルトだけで、ヘルメットやショルダーパッドは要りません。

  • ボール — アメリカンフットボールと同じ楕円形のボール。公式戦は革製ですが、学校や遊びではゴムや樹脂のボールで十分です
  • フラッグベルト — 1人1本。腰の左右に1本ずつ、合わせて2本のフラッグを付けます。フラッグは引っぱると外れる留め具(ポップソケット)で付いています
  • チームの目印 — 色の違うビブスやシャツ。フラッグの色はズボンと違う色にします
  • コーン — コートの四隅やゴールライン、ミドルラインの目印に使います
  • マウスピース — IFAF は使用を「強く推奨」しています。大会によっては必須です
  • 地面 — 平らで、障害物のない場所。芝生や人工芝が最適です

コートの大きさと道具の寸法

下の表は、IFAF の公式ルール(Flag Football Rules 2023)の規定です。

項目規定値備考
フィールド・オブ・プレー50ヤード × 25ヤード(約45.75m × 約22.9m)ゴールラインからゴールラインまで
エンドゾーン奥行き10ヤード(約9.15m)両端に1つずつ。ゴールラインはエンドゾーンに含む
コート全体70ヤード × 25ヤード(約64m × 約22.9m)エンドゾーン込み
安全地帯を含む広さ76ヤード × 31ヤード(約69.55m × 約28.4m)周り3ヤード(約2.75m)を空ける
ノーランニングゾーンゴールラインの手前5ヤード(約4.6m)両側に1つずつ
トライ(追加点)の位置ゴールラインから5ヤード(1点)・10ヤード(2点)
フラッグの長さ15〜16インチ(約38〜41cm)幅1.8〜2.0インチ(約4.6〜5.1cm)
ボールの重さ一般用 400〜425g女子と16歳未満はユース用、13歳未満はジュニア用の小さなボール

大会の主催者は、場所や年齢に合わせてコートを変えてもかまいません。片側のフィールドの長さと幅を5ヤードまで増減でき、最大は60ヤード × 30ヤード、最小は40ヤード × 20ヤードです。エンドゾーンは8ヤードまで短くできます。

推奨人数・年齢層

形式フィールド上の人数登録できる人数主な場面
フラッグフットボール(5人制)5対5最大15人(交代10人)IFAF の世界選手権などの国際大会
フラッグ 7人制7対7最大20人コートの幅を30ヤードに広げて行う
ビーチフラッグ(4人制)4対4最大10人25ヤード四方の砂浜のコート
授業・遊び3〜6人ずつ—人数とコートを決めて自由に
  • IFAF の公式戦は、男子・女子それぞれのチームで行います(主催者の判断で男女混合にもできます)
  • 体のぶつかり合いが無いので、年齢・性別・体格の差があっても一緒に楽しめます。NFL FLAG は4〜17歳を対象にしています
  • 足の速さだけでなく、投げる・捕る・作戦を考えるなど役割が多いので、運動が得意でない人にも出番があります

ルール

フラッグフットボールは「4回の攻撃(ダウン)で陣地を進め、相手のエンドゾーンにボールを持ち込む」競技です。まずは最小ルールで遊び、慣れたら公式ルールの決まりを足していきましょう。

あそびかたの流れ(最小ルール)

  1. 全員がフラッグベルトを付け、コイントスで先に攻めるチームを決めます
  2. 攻撃チームは自陣の5ヤードラインから始めます。ボールを地面に置き、センターが後ろの**クォーターバック(QB)**へ渡して(スナップ)、プレーが始まります
  3. QB はボールを持って、仲間に手渡す(ハンドオフ)か、前へパスします
  4. ボールを持った選手は、相手のフラッグを避けながら前へ走ります
  5. 守備側が、ボールを持った選手のフラッグを1本抜き取ると、そのプレーは終わり。その場所から次のプレーを始めます
  6. 攻撃は4回(4ダウン)で中央のミドルラインを越えれば、新しく4回の攻撃権がもらえます。越えられなければ攻守交代です
  7. 相手のエンドゾーンにボールを持ち込むか、エンドゾーンでパスを捕ればタッチダウン(6点)。得点の多いチームの勝ちです

はじめは「体当たりしない」「抜いたフラッグはすぐ返す」の2つだけ守れば、その日から遊べます。

標準ルール(技を加える)

  • 前へのパスは1回だけ — 1回のプレーで投げられる前へのパスは1回です。スクリメージライン(プレー開始の線)より後ろから投げます。後ろや真横へのパスと手渡しは、ボールがラインを越える前なら何回でもできます
  • QB は7秒以内に投げる — スナップから7秒以内にパスか手渡しをしないと、そのダウンは失われます
  • QB は自分で走り出せない — QB はボールを持ったままスクリメージラインを越えて走れません。走るなら仲間に手渡します
  • ノーランニングゾーン — 相手ゴールライン手前5ヤードの帯の中(または線上)からプレーを始めるときは、走るプレーが禁止。必ずパスで攻めます(ミドルラインの前後にはありません)
  • トライ(追加点) — タッチダウンの後、5ヤードから攻めて成功なら1点、10ヤードから攻めて成功なら2点。どちらにするかは攻撃側が先に決めます
  • インターセプト — 守備側がパスを捕ると、その場所から守備側の攻撃になります
  • ボールが地面についたら止まる — パスやファンブル(落球)が地面に落ちたら、その時点でプレーは終わり。ファンブルは落としたチームのボールのまま、その場所から再開です

公式競技ルール

IFAF の公式ルール(2023年5月発効)は、IFAF の世界選手権などで使われる国際ルールです。主な決まりは次のとおりです。

  • 試合時間 — 前半20分・後半20分の計40分。ハーフタイムは2分。タイムアウトは各チーム前後半それぞれ2回(1回60秒以内)
  • プレーの間隔 — 審判がボールの準備完了を告げてから25秒以内にスナップします
  • ラッシュ(7ヤードのルール) — スナップの瞬間にスクリメージラインから7ヤードより遠くにいた守備選手だけが、すぐに QB へ向かって走り込めます。7ヤードより内側にいた守備選手は、QB が手渡し・手渡しのフェイク・パスをするまでライン後ろにとどまります
  • ブリッツァー — 7ヤードより遠い位置で、スナップ前に片手を高く上げた守備選手(最大2人)は「ブリッツァー」となり、QB へまっすぐ向かう走路の優先権を得ます。攻撃側はその走路をふさいではいけません
  • 自陣5ヤードからの再開 — 4ダウンで得点もミドル越えもできなかったとき、攻撃権は相手に移り、相手は自陣5ヤードラインから攻めます。トライの後も、得点されたチームが自陣5ヤードから攻めます
  • 延長戦 — 同点で勝者を決める必要があるときは、ミドルラインから両チームが1シリーズずつ攻めます

IFAFのラッシュのルールを上から見た図。中央の横線がスクリメージライン。下側に緑の三角(攻撃側)が5人、うち1人がQB。上側の灰色の三角(守備側)のうち、ラインから破線の位置より遠い2人は手を上げた印を付け、緑の矢印でQBへまっすぐ向かう。破線より内側の灰色の三角は、赤の×印の付いた矢印でラインを越えられないことを示す。濃い灰色の矢印はラインから破線までの7ヤードを示す

図:スクリメージラインから7ヤード(約6.4m、濃い灰色の矢印)より遠くにいた守備選手は、スナップと同時に QB へ走り込めます(緑の矢印)。内側にいた選手は、パスか手渡しがあるまでラインを越えられません(赤の×)。

得点計算の例

得点の方法点数
タッチダウン6点
トライ成功(5ヤードから)1点
トライ成功(10ヤードから)2点
トライ中に守備側がボールを奪って相手エンドゾーンまで運ぶ守備側に2点
セーフティ(攻撃側が自陣エンドゾーンで止められる)守備側に2点
トライ中のセーフティ相手に1点
  • 例1 — A がタッチダウン(6点)を決め、10ヤードからのトライも成功(2点)。A に8点
  • 例2 — A がタッチダウン(6点)。5ヤードからのトライで投げたパスを B がインターセプトし、そのまま A のエンドゾーンまで走りきった。A に6点、B に2点
  • 例3 — 自陣5ヤードラインから始めた A の QB が、エンドゾーンに下がったところでフラッグを抜かれた。セーフティで B に2点。その後は B が自陣5ヤードラインから攻めます

よくある反則・判定の迷いどころ

  • フラッグガーディング — ボールを持った選手が、手や腕、ボールでフラッグを隠したり、相手を手で押しのけたりする反則。5ヤードの罰退とダウンの喪失です
  • ジャンプ・ダイブ — フラッグを取られないように跳び上がったり、頭から飛び込んだりするのは反則(5ヤード+ダウン喪失)。体をかがめる・回転するだけなら認められます
  • シールディング(ふさぐ) — 攻撃側がブリッツァーやラッシャーの前に立ちはだかって進路をふさぐ反則(5ヤード)。ブロックは一切できません
  • 体の接触 — 相手を押す・つかむ・ぶつかるのは反則(10ヤード)。ボールを持った選手には優先権が無く、接触を避ける責任は走る側にあります
  • フラッグが外れていたら — フラッグが1本しか付いていない選手がボールを持ったら、その時点でプレーは終わりです。フラッグを抜いた選手は、すぐ相手に返します
  • ひざをついたら — ボールを持った選手の手と足以外が地面についたら、そこでプレーは終わりです

フラッグを抜く場面を横から見た2つの例。左では、ボールを持った緑の三角の腰から、灰色の三角が手で帯を1本抜き取り、緑の輪で囲まれている。右では、緑の三角が腕で腰の帯を覆い隠していて、赤の×印が付いている

図:左は正しいフラッグの抜き取りで、ここでプレーが止まります(緑の輪)。右はボールを持った選手が腕でフラッグを隠すフラッグガーディングで、反則です(赤の×)。

楽しむコツ

初心者がつまずきやすい点

  • パスを遠くへ投げすぎる — まずは5〜10ヤードの短いパスを確実に通すほうが進めます。QB には7秒しかありません
  • フラッグではなく体をつかみにいく — 守備は相手の腰をよく見て、フラッグだけを狙います。正面から追うより、走る方向の前に回り込むと取りやすくなります
  • 全員がボールに集まる — 守備は、それぞれが誰を見るか(マンツーマン)か、どの場所を守るか(ゾーン)を決めておくと、パスを通されにくくなります

作戦とポジションの決め方

フラッグフットボールの面白さは、1プレーごとにハドル(作戦会議)を組み、全員の動きを決めてから始められることです。

  • 攻撃の役割 — スナップするセンター、パスを投げるQB、パスを捕りに走るレシーバー、手渡しを受けて走るランニングバック。5人制では、センターもスナップの後にパスを捕りに出られます
  • 守備の役割 — QB に走り込むラッシャーと、レシーバーについてパスを防ぐディフェンダー
  • 作戦カード — 授業では、レシーバーの走るコース(ルート)を矢印で書いたカードを作り、ハドルで選ぶ方法がよく使われます。「まっすぐ走って止まる」「斜めに走る」など、2〜3種類あれば十分です

年齢別のアレンジ

  • 小学校低・中学年 — コートを狭くし(例: 20m × 15m)、前へのパスを無しにして、手渡しと走るだけで始めます
  • 小学校高学年〜中学生 — 前へのパスを加え、ノーランニングゾーンや7秒ルールは慣れてから
  • 大人・競技志向 — IFAF の公式寸法とルールで。ラッシュの7ヤードを測るため、コーンをライン上に置きます

日本で遊ぶときの工夫

  • 統括団体 — 日本のフラッグフットボールは、IFAF に加盟する公益社団法人日本アメリカンフットボール協会(JAFA)が統括しています。男女の日本代表を編成し、日本選手権も開いています
  • 学校の授業 — 小学校学習指導要領解説(体育編・2017年)は、3・4年生のゴール型ゲームの例示に「タグラグビー,フラッグフットボールなどを基にした易しいゲーム(陣地を取り合うゲーム)」を挙げ、5・6年生のボール運動でもバスケットボールやサッカーに替えて指導できる種目に挙げています
  • 場所 — 公式の広さは約64m × 約23m(安全地帯込みで約70m × 約28m)。公園は球技が禁止されていたり、ボールの大きさに制限があったりするので、利用前に公園のルールを確かめます。広さが足りなければ、コートを小さくして人数を減らします
  • 道具 — フラッグベルトとボールは、スポーツ用品店や通販で、学校向けのセットも含めて手に入ります。ベルトが無ければ、腰にはさんだタオルでも代用できます

よくある質問

Q. 1チーム何人でやるの?

IFAF の公式ルールでは、フィールドに出るのは1チーム5人です。登録は最大15人で、交代は自由にできます。7人制やビーチの4人制もあり、授業や遊びでは人数に合わせて変えてかまいません。

Q. コートの広さはどれくらい?

公式のコートは、エンドゾーン込みで70ヤード × 25ヤード(約64m × 約22.9m)です。周りに3ヤードの安全地帯を取ると、76ヤード × 31ヤード(約69.55m × 約28.4m)になります。小学校の授業では、校庭の広さに合わせて小さくします。

Q. タッチダウンは何点?

タッチダウンは6点です。その後のトライで、5ヤードからなら1点、10ヤードからなら2点を加えられます。セーフティは守備側に2点です。フィールドゴール(キックの得点)はありません。

Q. 防具は要る? けがは多い?

ヘルメットやパッドは要りません。体のぶつかり合いを反則にして、けがを減らすように作られたルールです。ただし走りながらの衝突や転倒は起こりうるので、マウスピースの使用が強く推奨されています。

Q. オリンピックの種目になったのはいつ?

2023年10月16日の IOC 総会で、2028年ロサンゼルス五輪の追加競技に決まりました。男子と女子の大会が行われます。それより前に、2022年の米国バーミングハムのワールドゲームズでも実施されています。

Q. タグラグビーとどう違うの?

いちばんの違いは、フラッグフットボールは前へパスが投げられ、フラッグを抜かれるたびにプレーが止まることです。タグラグビーは前へのパスができず、タグを取られてもパスをつないでプレーが続きます。

もっと知りたい人へ

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