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キュッカのルールと遊び方|コートの寸法・点数の数え方・モルックとの違いを図解

地域:
フィンランド
タグ:
少人数, 中規模, 投擲, 欧州, 北欧, 伝統

この記事の要点

人数
2–8 人
試合の長さ
前半・後半の2回で1試合。チーム戦は1人が1回の番に2本ずつ投げる
道具
キュッカ(木の円柱)80個と、投げる棒(カルットゥ)を1チーム4本ほど
広さ
5m×5m の陣地2つを10m離す。周りの余白を含めて約7m×22m(フィンランド・キュッカ連盟)
目次 (8)
  1. このゲームはどんなもの?
  2. 必要な道具と準備
  3. 推奨人数・年齢層
  4. ルール
  5. 楽しむコツ
  6. 日本で遊ぶときの工夫
  7. よくある質問
  8. もっと知りたい人へ
砂利の四角い陣地の前の線に2個ずつ重ねて立つ木の円柱(キュッカ)8組と、手前の芝生に置かれた取っ手つきの木の棒(カルットゥ)のイラスト

このゲームはどんなもの?

キュッカ(Kyykkä。キイッカとも書かれる)は、フィンランドとロシアにまたがる カレリア地方 に伝わる投てきゲームです。 地面に描いた5m四方の陣地の前の線に、木の円柱(キュッカ)を2個ずつ重ねて並べ、10m以上離れた所から木の棒(カルットゥ)を投げて、陣地の外へはじき出します。 陣地にキュッカが残ると マイナス点、使わずに残った棒は プラス点 になり、点の多いチームの勝ちです。英語では「Finnish skittles」とも呼ばれます。

フィンランド・キュッカ連盟(Suomen Kyykkäliitto)によると、キュッカは何百年も前から村どうしの力比べとして遊ばれてきました。1894年には作家の I. K. イナが、東カレリアで「すたれかけている」と書き残しています。 1951年にカレリアの文化団体が復活に取り組み、選手が増えたためにルールと点数の数え方を作りました。1986年にカレリア・キュッカ連盟が登録され、1993年に今のフィンランド・キュッカ連盟になっています。2025年8月にはヘルシンキで初めての欧州選手権が開かれ、フィンランド・ウクライナ・エストニアの選手が参加しました。

いまフィンランドでは学生の遊びとしても人気で、毎年2月にタンペレのヘルヴァンタで開かれる「アカデミック・キュッカ世界選手権」には、5,000人を超える学生が集まります。

芝生の上の緑の三角(投げる人)が、取っ手のついた木の棒(カルットゥ)を縦にくるくる回しながら投げ、右の陣地の前の線に2個ずつ重ねて立つ木の円柱(キュッカ)に当て、キュッカが陣地の奥の線の外へはじき飛ばされて緑の輪が広がるアニメーション

上から見たキュッカのコート図。灰色の砂利の上に、5m四方の白い陣地が左右に2つ並び、間の上下に破線(陣地の横の線をのばした線)。どちらの陣地も、相手側に向いた前の線に小さな円柱(キュッカ)が20組並ぶ。左の陣地の前の線に緑の三角(続きを投げる位置)、左の陣地の後ろの線の外に薄い緑の三角(最初の1投の位置)。上の緑の矢印は陣地の一辺5m、右の緑の矢印も5m、上の橙の矢印は陣地と陣地の間の10m、下の濃い灰色の矢印は左の陣地の後ろの線から右の陣地の前の線までの15m

図:自分のチームが投げる陣地(左)は、相手チームが狙う陣地でもあります。男子は最初の1投を15m(濃い灰色)から、続きを10m(左の陣地の前の線)から投げます。

必要な道具と準備

  • キュッカ — 白樺の木で作る円柱で、長さ100mm・太さ65〜80mm、角は5mmほど丸めます。チーム戦では1つの陣地に20組(40個)、両方の陣地で80個使います
  • カルットゥ(投げる棒) — 木で作り、丸い棒に取っ手がついた形です。長さは850mm以下、太さは80mm以下で、重さの決まりはありません。塗装はかまいません
  • コート — 夏の大会は、できるだけ平らな砂利の地面に、とがった棒で線を引きます(石灰の線は使わない)。冬は氷や雪の上でも行います
  • 並べ方 — 陣地の前の線の上に、キュッカを2個ずつ縦に重ねた組を、線がキュッカの中心を通るように立てます。チーム戦では両端を横の線から10cmあけて20組、個人戦とペア戦は125cmあけて10組です

コートと道具の寸法

下の表は、フィンランド・キュッカ連盟の競技規則(2025年5月版)と「短いルール説明」にもとづく値です。

項目規定値備考
陣地5m × 5m(男子)自分の投げる陣地=相手が狙う陣地
陣地と陣地の間10m線の中心から中心まで測る
必要な広さ約7m × 22m横に1m以上、後ろに2m以上の平らな余白
子ども(10歳以下)の小さいコート3m × 3m、間6m投げる線は4m
キュッカ長さ100mm、太さ65〜80mm白樺の円柱
カルットゥ長さ850mm以下、太さ80mm以下木製・取っ手つき。重さは自由
並べる数チーム戦20組・個人戦とペア戦10組(1陣地)1組=2個を重ねたもの

左は取っ手のついた木の棒(カルットゥ)を横から見た図で、上の緑の矢印が全長(85cm以下)、上下の濃い灰色の矢印が太さ(8cm以下)。右は線の上に2個重ねて立てたキュッカで、橙の矢印が1個の長さ(10cm)、上の濃い灰色の矢印が太さ(6.5〜8cm)

図:左がカルットゥ、右が2個重ねたキュッカの組です。

推奨人数・年齢層

形式人数1回の番に投げる本数
個人戦1対14本(前半・後半それぞれ20本まで)
ペア戦2人対2人1人2本
チーム戦4人対4人(3人でも可)1人2本
  • 投げる距離は年齢と性別で分かれています(下の「公式競技ルール」の表)。8歳の部からあるので、子どもも大人と同じ遊びを楽しめます
  • 70歳以上のベテランの部は、短い距離から投げます

ルール

キュッカは「相手より少ない本数で、自分が狙う陣地のキュッカを全部外へ出す」ことを競うゲームです。

あそびかたの流れ(最小ルール)

  1. 2つの陣地の前の線に、キュッカを2個重ねた組を並べます
  2. 先攻を決めます。投げる人は自分の側の陣地に立ち、向こうの陣地のキュッカを狙います
  3. カルットゥを投げて、キュッカを陣地の 横か後ろの線の外 へはじき出します
  4. 1回の番が終わったら、相手チームが同じように投げます
  5. どちらかが向こうの陣地を空にしたら前半は終わりで、相手も同じ本数まで投げられます
  6. 陣地を入れかえて後半を投げ、前半と後半の点を合計して多いほうが勝ちです

標準ルール(技を加える)

  • 最初の1投(開け) — 試合の最初は、自分の陣地の 後ろの線の外 から投げます(男子は15m)。キュッカが1個でも陣地の横か後ろの線の外へ出たら「開いた」ことになり、そこからは自分の陣地の 前の線(男子は10m)から投げられます
  • 前にこぼれたキュッカ — 当たって陣地の手前(陣地と陣地の間)に飛び出したキュッカは、そのままではマイナスです。陣地の横か後ろの線、または間の破線の外まで打ち出す必要があります
  • 投げる位置の線 — 投げている間に線を踏んだり越えたりしてはいけません。投げ終わったら、横か後ろから陣地を出ます
  • 割れたキュッカ — 当たって割れたら、大きいほうのかけらがある場所で判定し、新しいキュッカと取りかえます

公式競技ルール

フィンランド・キュッカ連盟の大会は、競技規則にもとづいて審判(pelituomari)が判定し、1投ごとに外へ出た数を記録します。投げる距離は次のとおりです。

部門最初の1投続き
男子15m10m
女子・15歳の部10m8m
12歳の部8m6m
10歳の部6m4m
8歳の部4m4m
70歳以上(男子/女子)10m/8m10m/8m
  • 試合の点 — 勝ちは2点、引き分けは1点、負けは0点です
  • チーム戦 — 4人で1チーム。陣地を空にしたチームが出たら、相手は同じ本数まで投げられ、余った棒はプラス点になります。決めた回数(たとえば3回の番)で区切ることもあります
  • 個人戦 — 1回の番に4本、前半・後半20本ずつ、合計40本。20本より少なく陣地を空にしたら、余った本数がプラス点です
  • アカデミック・キュッカ世界選手権(学生の大会) — 4人1チームで、前半・後半とも1人4本(2本ずつ2回)を投げきり、マイナス点の少ないチームが勝ちます。男子は後ろの線、女子は前の線から最初の1投を投げ、開いたら男子は前の線、女子は前の線から2m前に出て投げます
  • 安全の決まり — 投げるとき、陣地の横2mほどと、狙う陣地の後ろ5mほどの範囲に人がいてはいけません。コートを並べるときは5m以上あけます

得点計算の例

点の数え方は次のとおりです(連盟の規則・学生大会の規則で共通)。

状態点
陣地の中か前の線の上に残ったキュッカ(akka)−2
陣地と陣地の間に飛び出したキュッカ(vieras)−2
陣地の横か後ろの線の上に残ったキュッカ(pappi)−1
使わずに残ったカルットゥ+1

上から見た点の数え方の図。右の白い四角が狙う陣地で、左は陣地の手前(陣地と陣地の間)。陣地の中と前の線の上のキュッカは橙の実線の輪(−2点)、陣地の手前に飛び出したキュッカも橙の実線の輪(−2点)、後ろの線と横の線の上のキュッカは橙の破線の輪(−1点)。濃い灰色の破線の矢印で後ろの線の外へ出たキュッカは緑の輪(外に出たので0点)

図:橙の実線の輪が −2点、橙の破線の輪が −1点、緑の輪は陣地の外に出たキュッカ(点にならない)です。

  • 例1:陣地を空にした(チーム戦) — Aチームが16本目で陣地を空にしました。Bチームも16本まで投げましたが、陣地の中に3個、横の線に1個残りました。前半は A が 0点、B が −2×3 −1 = −7点
  • 例2:本数が余った(個人戦) — 20本のうち14本で陣地を空にすれば、余った6本で +6点 です
  • 例3:前にこぼれた — 当てたキュッカが手前に1個飛び出したまま番が終わると、陣地の中と同じ −2点 になります

よくある反則・判定の迷いどころ

  • 線の上のキュッカ — 線にかかっているか迷うときは、審判が測り棒を線に沿って立てて当たるかどうかで判定します。当たれば −1点の「pappi」です
  • 前の線の近くの横の線 — 前の線から10cmより近い横の線の上のキュッカは、pappi ではありません
  • 相手のキュッカを動かした — 動かしたら審判が元に戻し、注意を受けます。2回注意されると、残りを後ろの線から投げることになります
  • 線を越えて投げた — 学生大会の規則では、その1投で外に出たキュッカは前の線に戻され、陣地の中に倒れたものはそのまま、投げた本数は数えられます

楽しむコツ

初心者がつまずきやすい点

  • 高く放り投げる — 上から落ちてきた棒は、当たってもキュッカを陣地の中に倒しがちです。低い軌道で列に当て、奥へはじき出すつもりで投げましょう
  • 手前にこぼす — 前にこぼれたキュッカは −2点のままです。こぼれたら、次の1投でまず外へ出しましょう

盛り上げる工夫

  • チームの順番 — 学生大会のチーム戦は、1回の番に2人が2本ずつ投げます。最初の1投が得意な人、残りを片づけるのが得意な人で順番を決めます
  • 短いコートで練習 — 子ども用の3m四方・間6mのコートは、大人の練習や狭い場所での遊びにも使えます

年齢別のアレンジ

  • 子ども: 3m四方・間6m、投げる線4mの小さいコートで。軽く短い棒を使い、投げる人の前と陣地の後ろに人がいないことを毎回確かめます
  • シニア: 70歳以上の部と同じく、最初の1投も続きと同じ短い距離から投げます

日本で遊ぶときの工夫

道具を手に入れる

  • フィンランド・キュッカ連盟は、道具を作るフィンランド国内の作り手の連絡先を案内しています
  • 手に入らないときは、白樺などの丸太を長さ10cm・太さ6.5〜8cmに切ってキュッカにし、取っ手をつけた木の棒(85cm以下)をカルットゥにできます。木の角はやすりで丸めておきます

場所と安全

  • カルットゥは重い木の棒で、遠くまで飛びます。公園で投げてよいかは、看板や管理事務所で確かめましょう
  • 連盟の規則と同じく、投げるときは陣地の横と、狙う陣地の後ろに人がいないことを確かめます。並んで遊ぶときは5m以上あけます
  • 公式の夏のコートは砂利ですが、平らな地面なら土のグラウンドでも線を引けます

モルックとの違い

同じフィンランドのモルックは、キュッカをもとに作られた投てきゲームです。

項目キュッカモルック
投げる物取っ手つきの棒(85cm以下)。チーム戦は1回の番に1人2本番号のない木の棒1本を全員で使う
的番号のない木の円柱(チーム戦で1陣地40個)1〜12の番号つきピン12本
距離10〜15m(男子)3.5m(公式)
勝ち方外へ出せなかった分がマイナス。点の多いチームが勝ちぴったり50点に先に届いたら勝ち

よくある質問

Q. キュッカとは何ですか?

カレリア地方に伝わる、木の棒で木の円柱を陣地の外へはじき出すフィンランドの投てきゲームです。英語では Finnish skittles とも呼ばれます。

Q. キュッカとモルックの違いは?

モルックは、キュッカをもとに作られた、より手軽な投てきゲームです。キュッカは10m以上離れた陣地の円柱を全部出し切る力と正確さの競技で、モルックは3.5mから番号のピンを倒してぴったり50点を目指します。

Q. コートの大きさは?

5m×5m の陣地を2つ、10m離して描きます(男子)。周りの余白を入れて約7m×22mの平らな場所が必要です。10歳以下の子ども用は3m×3m・間6mです。

Q. 点数はどう数えますか?

陣地の中や前の線、陣地の手前に残ったキュッカは1個 −2点、横や後ろの線の上は −1点、使わずに残った棒は1本 +1点です。前半と後半の合計で勝敗を決めます。

Q. 何人で遊べますか?

1対1の個人戦、2人対2人のペア戦、4人対4人のチーム戦があります。遊びなら、人数に合わせて投げる本数を決めれば大丈夫です。

もっと知りたい人へ

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