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棒倒しのルールと遊び方|運動会のポジション・防衛大の150人戦・安全の工夫を図解

地域:
日本
タグ:
団体戦, 力比べ, 陣取り, 日本発, 若者向け, 伝統

この記事の要点

人数
10–300 人
試合の長さ
1試合は短い(防衛大学校は2分)。決着がつかなければやり直し
道具
丸太などの太い棒をチームに1本、チームの色が分かるシャツ。危険防止のため裸足で行うことが多い
広さ
2本の棒を立てる円と、そのあいだを走れる広さ。人数に合わせた校庭やグラウンド
目次 (8)
  1. このゲームはどんなもの?
  2. 必要な道具と準備
  3. 推奨人数・年齢層
  4. ルール
  5. 楽しむコツ
  6. 日本で遊ぶときの工夫
  7. よくある質問
  8. もっと知りたい人へ
芝生に白い破線で描いた円の中央に、先に赤い旗を付けた太い木の棒が立ち、左右に緑と白の帯が置かれたイラスト

このゲームはどんなもの?

棒倒し(Bo-taoshi)は、2つのチームがそれぞれ自分の棒を立てて守り、相手の棒を先に倒したほうが勝つ競技です。 チームは、棒を支えて守る守備と、相手の棒へ攻め込む攻撃に分かれます。日本の運動会・体育祭の種目として知られ、英語でも「Bo-taoshi」(pole toppling)と呼ばれます。

いちばん有名なのは、神奈川県横須賀市の防衛大学校の棒倒しです。毎年11月の開校記念祭で、学生の大隊どうしが1チーム150人で戦い、その迫力のある映像は海外でも広く知られています。

体どうしが激しくぶつかる種目なので、安全の決まりと大人の見守りが欠かせません。この記事では、ルールと役割に加えて、学校や地域で行うときの安全の工夫を詳しく紹介します。

左から緑の三角(攻撃側)が走り込み、灰色の三角(守備側)に囲まれた茶色の棒に飛びつくと、棒が地面に向かって大きく傾き、緑の輪が広がる様子のアニメーション

上から見た棒倒しの競技場の図。左右に破線の円が2つあり、それぞれの中心に茶色の丸(棒)が立っている。左の円の中には緑の三角(守備)が棒を囲み、右の円の中には灰色の三角(守備)が棒を囲む。円の外では、緑の攻撃の三角が右の棒へ、灰色の攻撃の三角が左の棒へ、それぞれ矢印の向きに走っている

図:棒倒しの基本の形です。守備は自分の棒の周りの円の中で守り、攻撃は相手の棒へ走り込みます(防衛大学校では守備は円の中だけで動けます)。

必要な道具と準備

  • 棒 — チームに1本。人の背より長く、人がしがみついても折れない丸太などの木の柱を使います(おおよそ3〜5mとされます)。上に旗を付けることもあります
  • 競技場 — 棒を立てる円を2つ描き、そのあいだを走れる平らな場所。石や段差の無い、柔らかい地面を選びます
  • 服装 — チームの色が分かるシャツ。防衛大学校では、攻撃役は大隊の色(赤・青・緑・橙)のシャツ、守備役は白いシャツです
  • 安全の準備 — 爪を短く切る、裸足で行う、ラグビー用のヘッドキャップを着けるといった指導が行われることがあります。首が絞まらないよう、鉢巻を禁止する学校もあります
  • 審判 — 棒の傾きを判定する人を棒ごとに置き、試合を止める笛を持たせます

推奨人数・年齢層

形式人数備考
防衛大学校の開校記念祭1チーム150人(攻撃75人・守備75人)大隊対抗。1試合2分
中学・高校の体育祭学年・クラス・組の単位で学校ごとにルールが違う
小学生・地域のレクリエーション1チーム10〜20人ほどの少人数から「旗を取ったら勝ち」など、ぶつかり合いの少ない形で

体の大きさや力の差がけがにつながりやすいので、学年や体格をそろえてチームを分けます。

ルール

あそびかたの流れ(最小ルール)

  1. 2チームに分かれ、それぞれの円の中心に棒を立てます
  2. 各チームが守備(棒を支える・棒の周りを固める)と攻撃(相手の棒へ攻め込む)に分かれます
  3. 合図で攻撃役が相手の棒へ走り、守備役は自分の棒を支えます
  4. 相手の棒を先に倒した(決めた角度まで傾けた)チームの勝ちです
  5. 殴る・蹴るなどの乱暴な行為は反則です。審判の笛が鳴ったら全員すぐに止まります

標準ルール(技を加える)

大人数になると、チームの中で役割を分けて戦います。防衛大学校で使われる役割は次のとおりです。

側役割すること
攻撃スクラムスクラムを組んで守備の輪に突っ込み、後から来る仲間の踏み台になる
攻撃突攻(とっこう)棒に飛びついて倒しにかかる
攻撃遊撃攻撃全体を助ける
守備棒持ち根元で棒を支え続ける
守備上乗り棒の上に乗り、飛びついてくる攻撃役を防ぐ
守備サークル棒を輪になって囲んで守る
守備キラー攻め込んでくる相手を妨げる

公式競技ルール

棒倒しには、全国で統一された公式ルールや競技団体はありません。学校や組織ごとにルールを決めています。よく知られているのが防衛大学校のルールです。

  • 人数 — 1チーム150人。攻撃と守備に分かれます
  • 時間 — 1試合2分。時間内にどちらの棒も倒れなければ、決着はつかず、やり直しになります
  • 勝ち負け — 棒が30度まで傾いたら負け。審判が旗で示し、勝者を告げます(1973年までは45度でした)
  • 守備の範囲 — 棒は競技場に描かれた円の中に立て、守備役はその円の中でしか動けません
  • 反則 — 殴る・蹴る・首を絞める・頭を引っぱるなどの危険な行為は禁止。反則3回で失格です
  • 安全点検 — 試合の前に教官らが人員を確かめ、爪が伸びていないかなどを点検します。空手道部やボクシング部など打撃系の部の学生は攻撃に参加できず、守備に回ります

棒の傾きの判定を横から見た図。左は茶色の棒がまっすぐ立っている。右は棒が地面に向かって大きく傾き、棒と地面のあいだの角度を橙の弧で示し、緑の輪で囲まれている

図:防衛大学校では、棒が地面に対して30度(橙の弧)まで傾いたら負けです。学校では「棒の先の旗を取ったら勝ち」とするなど、判定の仕方を決めておきます。

得点計算の例

棒倒しには得点が無く、勝ち負けで決まります。判定の例を挙げます。

  • 例1 — 緑チームの突攻が灰色チームの棒に飛びつき、棒が30度まで傾いた。審判が旗を上げ、緑チームの勝ち
  • 例2 — 2分たってもどちらの棒も決められた角度まで傾かなかった。決着つかずで、やり直し
  • 例3 — 灰色チームの選手が相手を殴り、反則が3回目になった。灰色チームの失格

よくある反則・判定の迷いどころ

  • 殴る・蹴る — いちばん多い危険行為です。防衛大学校のルールでも禁止されています
  • 首を絞める・頭を引っぱる — 大けがにつながるので禁止。服や鉢巻をつかむのも首が絞まる原因になります
  • 守備が円の外へ出る — 防衛大学校のルールでは、守備役は円の中だけで動けます
  • 棒が傾いたかどうか — 角度は見る位置で違って見えます。審判を棒ごとに置き、旗や笛の合図を事前に決めておきます

楽しむコツ

安全(見守り・やめる基準・ルールの工夫)

棒倒しは、人が折り重なって倒れ、下敷きになったり踏まれたりする危険がある種目です。1984年9月には、福岡の私立中学・高校の体育祭の棒倒しで、男子生徒が腹を蹴られて転び、ほかの生徒に踏まれて内臓を傷める重傷を負いました。家族が学校を訴えましたが、1992年に福岡地方裁判所小倉支部は請求を退けています。騎馬戦と並んで危険な種目とされ、安全上の理由で取りやめている学校もあります。

大人の見守り

  • 棒ごとに審判を1人、加えて周りから全体を見る大人を複数置きます
  • 審判は全員が笛を持ち、誰が笛を吹いても全員が止まることを事前に練習します

すぐに止める基準

  • 人が下敷きになった、折り重なって倒れた
  • 誰かが頭から落ちた、首や頭をつかまれている
  • 殴る・蹴るが見えた
  • 棒が人の上に倒れかけている、棒が折れそう

ルールの工夫

  • 旗を取ったら勝ち — 棒の先の旗や布を取れば勝ちにすると、棒を大きく倒さずに済みます。小学校などで使われる比較的安全な方法です
  • 上乗りをなくす — 高い所からの転落を防ぐため、棒に登る役を置かない
  • 時間を短く・人数を少なく — 1試合を短くし、一度に攻め込む人数を制限します
  • 体格をそろえる — 学年・体格の近い人どうしでチームを組みます
  • 服装と身支度 — 爪を切り、メガネ・アクセサリーを外し、ヘッドキャップを着けます。服や鉢巻で首が絞まらないようにします

年齢別のアレンジ

  • 小学生 — 棒は短く軽いものにし、旗取り式で。体当たりは禁止にして「棒にタッチしたら勝ち」から始めてもかまいません
  • 中学生・高校生 — 役割を決め、作戦を立てて戦います。審判と見守りの大人の数を増やします
  • 大人・地域の行事 — 体力差が大きいので、参加は希望者だけにし、準備運動をしてから行います

日本で遊ぶときの工夫

  • 防衛大学校の棒倒し — 棒倒しは、1954年に保安大学校から防衛大学校に名前が変わったころから毎年の開校祭で行われ、春のカッター競技、年度末の断郊競技と並ぶ「3大競技」とされています。旧陸軍士官学校や海軍兵学校で行われていた競技を受け継いだものです。開校記念祭の日程や公開のしかたは、防衛大学校の発表を確かめてください
  • 学校の体育祭 — いまも一部の中学・高校で名物の種目として続いています。ルールは学校ごとに違うので、行う前に安全の決まりを全員で確認します
  • 場所 — 芝生や土のグラウンドなど、転んでも衝撃の少ない地面で。公園など公共の場所では、大人数のぶつかり合いになる遊びはしないようにします

よくある質問

Q. 棒倒しは何人でやるの?

決まった人数はありません。防衛大学校では1チーム150人で、攻撃と守備に分かれます。学校や地域では、クラスや組の単位で、両チームの人数をそろえて行います。

Q. 勝ち負けはどう決まるの?

相手の棒を先に倒したチームの勝ちです。防衛大学校では、棒が30度まで傾いたら負けで、2分で決着がつかなければやり直しです。学校では「旗を取ったら勝ち」とすることもあります。

Q. 棒倒しは危なくないの?

危険のある種目です。人が折り重なって倒れたり、踏まれたり、棒から落ちたりするおそれがあり、取りやめた学校もあります。行うなら、殴る・蹴るの禁止、大人の見守り、すぐに止める基準を決めておきます。

Q. 砂場の「棒倒し」とは違うの?

違う遊びです。砂場の棒倒しは、砂山に立てた棒を倒さないように順番に砂を取っていく遊びで、「山崩し」とも呼ばれます。この記事の棒倒しは、チームで相手の棒を倒し合う運動会の種目です。

Q. 英語では何と言う?

英語でも「Bo-taoshi」と呼ばれ、「pole toppling(棒を倒す)」と説明されます。防衛大学校の映像が海外で紹介され、名前が知られるようになりました。

もっと知りたい人へ

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