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ローンダート(ジャーツ)入門 — アメリカ生まれの的当て投擲ゲームと、その安全の歴史

人数:
2–4
地域:
United States
タグ:
北米, 投擲, 家族向け, 1on1, 少人数
芝生に先端を下にして刺さった大きなローンダート2本と、そばに置かれた目標リングのイラスト
重り付きの先端で芝に刺さるローンダート(ジャーツ)と、地面に置いた目標リング

このゲームはどんなもの?

ローンダート(lawn darts)は、20世紀半ばに広まったアメリカの庭遊び(バックヤードゲーム)です。 商品名の「ジャーツ(Jarts)」でも広く知られています。 手のひらより大きな重り付きの矢(ダート)を 下から山なりに放り投げ、 地面に置いた輪(フラフープほどの大きさの目標リング)の中に入れて得点を競います。

ホースシューズ(蹄鉄投げ)とよく似た遊び方で、 2人(1対1)または2対2で交互に投げ、狙いの正確さで勝敗が決まります。 腕力よりコントロールが問われるので、大人も子供も同じ土俵で楽しめるのが魅力です。

ただし、この遊びには 重要な安全の歴史 があります。 かつて売られていた 金属製の鋭い先端を持つローンダートは、深刻なけが・死亡事故を起こし、 アメリカでは1988年に販売そのものが禁止されました(カナダでも禁止)。 現在は先端が丸く重みを持たせた 安全版(ソフトチップ/ラウンドチップ) のみを使うのが大前提です。 この記事は、その安全な現代版を前提に紹介します。詳しくは次の章で説明します。

芝生の上で、プレイヤーが大きな矢(ローンダート)を下から山なりに投げ、下降しながら先端を下に向けて地面の目標リングに入る様子のアニメーション

必要な道具と準備

ローンダートは道具が少なく、準備も手軽です。ダート数本と目標リング、そして周囲に人がいない広めの平らな地面があれば始められます。ただし、遊ぶ前に 必ず安全の前提 を確認してください。

安全に関する最重要事項 — 金属製の尖った先端を持つ「昔ながらのローンダート(ジャーツ)」は、子供の頭部に刺さるなど深刻な事故を繰り返し起こし、アメリカでは1988年に販売が全面禁止 されました(カナダも同様)。今から遊ぶなら、先端が丸く柔らかい安全版(ソフトチップ/ウェイテッド・ラウンドチップ)だけ を使ってください。金属先端の中古品を庭やガレージで見つけても遊びに使わず、処分しましょう。そして、どのバージョンであっても 人に向けて投げない・投擲エリアに人を立ち入らせない ことが絶対の鉄則です。

  • ダート(矢) — 重り付きの先端に、細いシャフトと後部の羽根(フィン)が付いた大きな矢。1色あたり2本、2色(合計4本)で1セットが基本です。必ず安全版(丸い先端)を選びます
  • 目標リング — 地面に置く輪。直径はおよそフラフープ大(40〜60cm前後)。付属のプラスチック製リングのほか、なければロープやチョークで円を描いても代用できます
  • リングを置く地面 — 芝生・土など、ダートの先端が軽く刺さって止まる柔らかい面が理想。コンクリートやアスファルトは跳ね返って危険なので避けます
  • 投擲ライン(任意) — リングから離れて立つ位置の目安。テープやロープで示すと公平に遊べます
  • 十分な広さ — ダートが山なりに飛ぶため、頭上と着地点の周囲にゆとりが必要。子供やペットが投擲方向に入り込まない見通しの良い場所を選びます

安全版のセットはおおむね2,000〜4,000円ほどで手に入ります。まずは軽い樹脂製の安全セットで山なりに投げる感覚をつかみ、リングを2つ用意すればホースシューズ風に本格的に遊べます。

推奨人数・年齢層

形式人数1人あたりのダート
個人戦(シングルス)1対12本
ペア戦(ダブルス)2対22本

対象年齢は、安全版であっても 投げる力と方向をコントロールできる年齢 が目安です。小さな子供が参加する場合は、必ず大人が付き添い、投擲エリアの安全を管理してください。腕力より狙いの正確さが問われるので、世代を問わず対等に楽しめます。

ルール

ローンダートは「大きな矢を下から山なりに投げ、地面のリングに入れて得点する」シンプルな的当てゲームです。得点の考え方はホースシューズ(蹄鉄投げ)によく似ています。まずは下の最小ルールを覚えれば、その日のうちに遊べます。

あそびかたの流れ(最小ルール)

  1. 平らで柔らかい地面に 目標リングを1つ 置きます。本格的に遊ぶなら、リングを2つ、約10m(35フィート)離して置き、両端から投げ合います(ホースシューズと同じ配置)
  2. リングから離れた投擲位置に立ち、先攻を決めます
  3. 先攻のプレイヤーが、ダートを 手のひらを下に向けて、下から山なりに 放り投げます。上から振り下ろす・水平に強く投げるのは危険なので厳禁です
  4. ダートは下降しながら先端が下を向き、先端から地面に着地 します。リングの中に入ればラウンドの主役です
  5. 続けてもう1本を投げ、次に相手(チーム)が同じように2本を投げます
  6. 全員が投げ終わったら得点を数えます(次項)
  7. これを1ラウンドとして繰り返し、先に21点 に達したチームの勝ちです

最初は「山なりにふわっと投げて、リングを狙う」ことだけ意識すればOK。慣れてきたら得点計算の駆け引きが面白くなります。

標準ルール(技を加える)

得点の数え方(ホースシューズ式・キャンセル方式):

  • リングの中に入った(リンガー) — 1本につき 3点
  • リングの外だが、相手のどのダートより近い — 最も近い1本につき 1点
  • 相殺(キャンセル) — 同じラウンドで両者がリングに入れた場合など、同点分は打ち消し合い、上回った差の分だけ が得点になります。1ラウンドで得点するのは基本的に一方のチームだけです

技のポイント:

  • 投げ方 — 必ず下投げ(アンダーハンド)で、山なりの高い弧を描かせます。頂点から素直に落とすほど先端が真下を向き、リングに収まりやすくなります
  • 距離感 — 山なりの軌道は「投げる強さ」より「離す角度」で飛距離が決まります。同じフォームで角度だけ微調整すると再現性が上がります
  • 狙いの一貫性 — 立ち位置・足の向き・腕の振りを毎回そろえると、着地点が安定します

公式競技ルール

ローンダートには、ホースシューズを下敷きにした競技ルールが存在します。一般的には、2つのリングを一定距離(約10m)で向かい合わせに置き、両端から交互に投げ合います。1本がリング内に入れば3点、リング外で最も近ければ1点、同点分は相殺し、ぴったり21点 を先取したチームが勝ち(21点を超えた分は無効・またはその手番を無得点とするなど、超過の扱いはリーグや地域によって変わります)。ただし、金属先端版は前述のとおり禁止されているため、公式・非公式を問わず 安全版を用いること が現代の大前提です。

楽しむコツ

何よりもまず安全

  • 人に向けて絶対に投げない — 投擲方向とその周囲、頭上に人・ペットがいないことを毎回確認します
  • 安全版だけを使う — 金属の尖った先端の旧版は使わない・遊ばせない・見つけたら処分する。これは「昔は普通に売られていた」からこそ、大人が意識して徹底すべき点です
  • 順番を守る — 誰かが投げている間は、他の人はリングやダートに近づかない。全員が投げ終えてから拾いに行きます

初心者がつまずきやすい点

  • 強く投げすぎる — 水平に強く投げると先端が下を向かず、リングに刺さりません。ふわっと高く上げる方がうまくいきます
  • 距離を力で合わせようとする — 飛距離は角度で調整。強弱ではなく放す角度を変えるのがコツです
  • 地面選び — 硬い地面ではダートが跳ねて危険。芝生や柔らかい土を選びます

盛り上げる工夫

  • リング2つを離して置き、ホースシューズ風に両端から投げ合うと、待ち時間が減ってテンポよく遊べます
  • 21点先取は意外と長いので、短時間なら11点先取など短縮ルールでもOK
  • BBQやキャンプの傍らで、順番待ちの間に会話を楽しむのが本場のゆるいスタイルです

日本で遊ぶときの工夫

  • 日本では「金属先端の旧版」はそもそも一般に流通していません。購入時は 先端が丸い安全版 であることを必ず確認しましょう
  • 公園や河川敷など広い芝生が向いています。山なりに飛ぶため、周囲に人が多い場所や狭い場所は避けます
  • 目標リングは付属品がなくても、フラフープやロープの輪、チョークの円で代用できます。リングを2つ用意すればホースシューズ風の対戦が楽しめます
  • 子供と遊ぶときは必ず大人が投擲エリアを管理し、投げる人以外はラインの後方で待つルールを徹底します

もっと知りたい人へ

  • 米国消費者製品安全委員会(CPSC)による1988年のローンダート販売禁止(金属先端版の事故を受けた措置)
  • ホースシューズ(蹄鉄投げ)— 得点・配置の考え方が近い姉妹ゲーム
  • 安全版ローンダート(ソフトチップ/ラウンドチップ)製品の選び方
  • 関連: ペタンク、モルック、クッブなど、狙って投げる芝生のゲームもあわせて読みたい

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