ローンボウルズ入門 — イギリス生まれの、球を曲げて的に寄せる芝生の球技
- 人数:
- 2–8 人
- 地域:
- United Kingdom
- タグ:
- 英国, 球技, シニア向け, 家族向け
このゲームはどんなもの?
ローンボウルズ(Lawn Bowls)は、イギリスで古くから親しまれてきた芝生の球技です。 記録では13世紀のイングランドにまでさかのぼり、いまではイギリスや オーストラリア・ニュージーランドなど英連邦の国々を中心に、幅広い世代が楽しんでいます。
最大の特徴は、球(ボウル)が完全な真球ではなく片側に重心(バイアス)がかかっていること。 まっすぐ転がしても速度が落ちるにつれてゆるやかにカーブを描き、弧を描いて的に近づきます。 この「曲がり」を計算に入れて、小さな目標球(ジャック)にどれだけ自分の球を近づけられるかを競います。
金属球を「投げる」ペタンクとは違い、ローンボウルズは球を地面に沿って転がすのが基本。 バイアスによる曲線を読む面白さが、この競技ならではの奥深さです。
必要な道具と準備
ローンボウルズは、球(ボウル)と目標球(ジャック)、そして平らな芝生さえあれば楽しめます。準備そのものは難しくありません。
- ボウル(bowl) — 片側に重心(バイアス)がかかった濃色の球。1人あたり2〜4球を使います。片面に大きな刻印(ラージディスク)、反対面に小さな刻印があり、大きい刻印のある側が曲がる内側です。サイズは手の大きさに合わせて選びます
- ジャック(jack) — 目標となる小さな球。白または黄色で、直径63〜67mm。「コット(kitty)」とも呼ばれます
- マット(mat) — 球を転がすときに立つ足場。マットの上から片足を残して球を送り出します
- メジャー(巻尺) — どちらの球がジャックに近いか際どいときに測るため。競技では必需品です
- グリーン(芝生) — 平らに刈り込まれた芝の面。競技では長方形のグリーンを縦の区画「リンク(rink)」に区切って使います。カジュアルに遊ぶだけなら、よく整った公園の芝生でも十分です
本格的な競技用のボウルは片側にバイアスが精密に施されていますが、芝生でカジュアルに遊ぶだけなら、レジャー向けのセットでも「曲がる球を寄せる」感覚は十分に味わえます。まずは軽めの球で転がす感覚をつかみ、はまってきたら競技用に買い替えるのがおすすめです。場所は、平らでよく刈り込まれた芝生を選ぶと球が素直に転がり、狙いどおりに曲げやすくなります。
推奨人数・年齢層
| 形式 | 人数 | 1人あたりの球 |
|---|---|---|
| シングルス(singles) | 1対1 | 4球 |
| ペアズ(pairs) | 2対2 | 4球 |
| トリプルス(triples) | 3対3 | 3球 |
| フォアズ(fours) | 4対4 | 2球 |
体力よりも狙いの正確さがものを言うため、子供から年配の方まで無理なく楽しめます。イギリスや英連邦の国々では、シニア世代に特に人気の生涯スポーツとして親しまれています。
ルール
ローンボウルズは「ジャック(目標球)に、どれだけ自分の球を近づけられるか」を競うシンプルな球技です。まずは下の最小ルールだけ覚えれば、その日のうちに遊べます。
あそびかたの流れ(最小ルール)
- じゃんけんなどで先攻を決め、グリーンの手前にマットを置きます
- 先攻の人がマットの上に立ち、ジャック(目標球)をグリーンの奥へ転がします。転がった位置がその回の的になります
- 続けて同じ人が1球目のボウルを、ジャックに寄せるように転がします。球はバイアスで曲がるので、ジャックの真正面ではなく、少し外側を狙って弧を描かせます
- 次に相手が転がします
- ここからは、ジャックから遠いほうのチームが、相手より近づくまで転がし続けます(近いチームは待ちます)
- 全員が持ち球を転がし終わったら得点計算。ジャックに一番近い球のチームが、「相手の一番近い球より内側にある自分の球の数」だけ得点します。この1回のやりとりを1エンド(end)と呼びます
- マットとジャックの向きを反対側に移し、次のエンドを行います。決められたエンド数、または先に規定の点数に達したチームの勝ちです
最初は「バイアスの曲がりを読んで寄せる」ことだけを意識すればOK。慣れてきたら、次の標準ルールの技を少しずつ足していきましょう。
標準ルール(技を加える)
- バイアスの向き — 球には曲がる方向があります。ジャックの左を狙うか右を狙うかで、球を置く向き(バイアスを内側にする側)を選びます。曲がり幅を計算して「ふくらませて寄せる」のが基本です
- ウェイト(力加減) — 転がす強さを「ウェイト」と呼びます。弱すぎると届かず、強すぎると通り過ぎます。バイアスは速度が落ちてから効くので、ウェイトの調整が命です
- ドロー(寄せ)とドライブ(撃ち) — そっとジャックに寄せる「ドロー」に対し、強く転がして相手の球やジャックを弾き飛ばす「ドライブ(撃ち)」という攻めの技があります
- フット・フォルト — 球を送り出す瞬間、片足はマットの上または触れていなければなりません。踏み出すと反則です
公式競技ルール
国際統括団体「ワールドボウルズ(World Bowls)」の公式ルール(Crystal Mark 版の競技規則)では、リンクの寸法、ジャックを転がす最短距離、界外(アウト)になった球やジャックの扱い、メジャーでの正確な測定手順などが細かく定められています。競技では形式ごとにエンド数や1人あたりの球数が決まっており、シングルスは先に21点、ペアズやフォアズは21エンド、トリプルスは18エンドで争うのが一般的です。日本でもクラブや体験会があり、参加すれば本格的なルールで楽しめます。
楽しむコツ
初心者がつまずきやすい点
- バイアスを忘れて真っ直ぐ狙う — 球は必ず曲がる。ジャックの真正面ではなく、曲がる分だけ外側を狙う
- 力任せに転がす — 速すぎるとバイアスが効く前に通り過ぎる。ゆっくり止まる強さが寄せやすい
- グリーンの重さを読まない — よく乾いた速いグリーンと、湿った重いグリーンでは曲がり幅も転がりも変わる
盛り上げる工夫
- ドライブ(撃ち)で相手の球を弾き出すと一気に形勢が変わり、場が盛り上がる
- ジャック自体を弾いて動かす作戦もあり、狙いどおりに動くと歓声が上がる
- 決着まで長くなりがちなので、短いエンド数を決めてサクッと遊ぶのもおすすめ
年齢別のアレンジ
- 子供: 軽い球、距離を短く、ルールはジャックに近づける単純化
- シニア: 立ったまま少ない移動で楽しめる。生涯スポーツとして最適
- 競技志向: マットとジャックの距離を規定どおりに、メジャーを常備して正確に判定
日本で遊ぶときの工夫
- 本格的な競技用ボウルは高価。最初はレジャー向けの安価なセットで「曲がる球」の感覚をつかむのがおすすめ
- 公式グリーンほど平らでなくても、公園のよく刈り込まれた芝生なら十分に楽しめる。少し離れた人に球が当たらないよう安全な場所を選ぶ
- 各地にクラブや同好会があり、体験会も開催されている。まずは一度触れてみるとバイアスの面白さがわかる
もっと知りたい人へ
- ワールドボウルズ(World Bowls)公式ルール
- 各地のローンボウルズクラブ・体験会
- コモンウェルスゲームズ(英連邦競技大会)の正式種目としての試合映像
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